2018 Fiscal Year Annual Research Report
Challenge to clarify the physiological basis of obesity paradox using intravital microscopy
Project/Area Number |
16K15680
|
Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
満田 真吾 杏林大学, 医学部, 助教 (80636431)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜澤 康二 杏林大学, 医学部, 助教 (30530703)
牛山 明 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (60291118)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 肥満パラドックス / 敗血症 / 微小循環 / グリコカリックス |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満は生活習慣病等、多くの疾患の原因となり、肥満そのものが疾患の危険因子である。一方で肥満患者は重症病態での生存率が高いという肥満パラドックスが存在する。そこで、生体顕微鏡によるin vivoイメージング技術を用いて肥満マウスとコントロールマウスの微小環境における循環動態、血管内皮細胞上のグリコカリックス(GCX)の構造的相異を明らかにすることを目的とし前年度まで実験を行ってきた。 最終年度の実験では高脂肪食(H)群、中脂肪食(M)群、低脂肪食(L)群の脳軟膜上の微小血管のグリコカリックスの厚みに着目し、H群、M群、L群の3群に対し脳血管透過窓を作成し、蛍光色素を投与し脳軟膜上の微小血管のグリコカリックスの観察、測定を行った。中脂肪食群及び高脂肪群は低脂肪食群と比較しグリコカリックスが有意に厚い結果が得られた。また中脂肪食群においてのみ血管径とグリコカリックスの厚みに相関が認められた。GCXが血管透過性のコントロールに重要な役割を持ち、重症病態下で脱落が起こる事実を考慮すると、肥満パラドックスの病態の一部が、GCXの厚みの違いにある可能性がある。M群においてのみ血管径とGCXIに相関があったことは、他の多くの肥満パラドックスに関する研究で中等度肥満患者の予後が最も良好となっている事実と関係があるのかもしれない。 このようなグリコカリックスの厚みの差異が重症病態において有利に働くことは容易に想像ができ、さらなる今後の研究が期待される。これまで肥満パラドックスに関する報告は疫学的なものがほとんどであり、本研究のようにその病態生理を解明しようとし、基礎実験、特に血管内皮細胞上のグリコカリックスに着目したものは世界初の報告であると考えられ、学術的、社会的意義は大きかったと考えられる。
|
Research Products
(1 results)