2016 Fiscal Year Research-status Report
局所麻酔薬による単球由来マイクロパーティクル発生における分子薬理学的機構の解析
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16K15684
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
西岡 慧 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 麻酔科レジデント (60755544)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 単球 / 局所麻酔薬 / マイクロパーティクル / 組織因子 / 凝固活性 / フローサイトメトリー |
Outline of Annual Research Achievements |
局所麻酔の末梢組織への有害反応は,脊髄くも膜下や硬膜外腔に投与した場合の神経毒性とはまったく異なっている.局所麻酔薬を末梢組織に投与した場合に発生する組織障害や細胞毒性について,先行研究では主に横紋筋組織の障害についての検討が進んでいる.一方,その周囲の癒着が発生する分子機構の解析はほとんどなされていない.本研究では,単球がさまざまな細胞障害刺激に応じて発生させるマイクロパーティクルに注目し,そのマイクロパーティクルに凝固を亢進させる作用があることを実験的に証明したうえで,局所麻酔薬がマイクロパーティクルの発生を増加させること,そのことに関連する分子薬理学的機構を解明する. 平成28年度において,ヒト単球系細胞(THP-1)を材料に,その細胞からマイクロパーティクルが発生する分子薬理学的機構の解析を行うための,フローサイトメトリーを用いた測定系の開発を行った。マイクロパーティクルは,フローサイトメトリーで通常の観察の対象となる細胞と比較し,非常に小さな粒子である。装置の検出限界付近で粒子からのシグナルを測定するため,ノイズと正しいシグナルを判別するためのノウハウが必要となる。また,粒子の集団が一塊となって解析される場合もあるため,これらから得られるシグナルを単一粒子からのシグナルと分別する必要もある。このような測定上の問題点を解決することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究に対して,十分に時間を割くことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度中にフローサイトメトリーを利用する測定環境が整った。平成29年度には,研究仮説を証明するため,局所麻酔薬を添加することで,単球系細胞にアポトーシスが誘導され,組織因子活性をもつマイクロパーティクルが発生することを確認する必要がある。
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Causes of Carryover |
残額は21096円となり,ほぼ使い切っている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画通り,研究に必要な物品の購入を行っていく予定。
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