2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of new strategic oncolytic virotherapy for advanced ovarian cancer
Project/Area Number |
16K15705
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
那波 明宏 名古屋大学, 医学系研究科, 特任教授 (90242859)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 腫瘍溶解性ウイルス / 卵巣癌 / 分子標的薬 / シクロデキストリン / パクリタキセル / FOLR1 / PCFT |
Outline of Annual Research Achievements |
シクロデキストリン(CyD)は食品分野にも応用されている易溶性の環状オリゴ糖で、その内部空洞において疎水性化合物と結合して可溶化する性質から、抗癌剤の新たなキャリアとして期待されている。他方、上皮性卵巣癌の80%以上で葉酸受容体FOLR1が高発現していることから、葉酸が癌標的化リガンドとして注目されているが、CyDに関連した知見は限られている。本研究では、卵巣癌由来細胞株を対象として、葉酸付加したCyD化合物(FA-CyD)によるFOLR1標的化の可否について検討を行う。 A2780、ES2、HEY、SKOV3、TOV21G細胞などの卵巣癌由来細胞株について検討を行った。パクリタキセル(PTX)は上記の細胞株すべてを傷害したが、FA-CyDと結合させたPTX(PTX/FA-CyD)はA2780、SKOV3、TOV21G細胞のみ傷害した。SKOV3及びTOV21G細胞についてはFOLR1の発現を検出できたが、A2780及びES2、HEY細胞ではできなかった。FOLR1以外の葉酸トランスポーターについて発現解析を行った結果、A2780細胞においてはProton-coupled Folate Transporter (PCFT)発現がES2及びHEY細胞より顕著に高かった。A2780細胞においては、PCFT発現をノックダウンするとPTX/FA-CyDによる傷害が有意に減弱したが、FOLR1発現をノックダウンしても変化が見られなかった。SKOV3細胞においては、PCFT及びFOLR1のいずれをノックダウンしても傷害が有意に減弱した。また、A2780細胞では中性pHと比較して酸性pHにおいてPTX/FA-CyDによる傷害が有意に増強したが、SKOV3細胞では変化が見られなかった。以上より、葉酸コンジュゲート薬であるPTX/FA-CyDについて、PCFT依存的な標的化が新たに示唆された。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Hematopoietic lineage cell-specific protein 1 (HS1), a hidden player in migration, invasion, and tumor formation, is over-expressed in ovarian carcinoma cells2018
Author(s)
Koya Yoshihiro, Liu Wenting, Yamakita Yoshihiko, Senga Takeshi, Shibata Kiyosumi, Yamashita Mamoru, Nawa Akihiro, Kikkawa Fumitaka, Kajiyama Hiroaki
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Journal Title
Oncotarget
Volume: 9
Pages: 32609-32623
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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