2016 Fiscal Year Research-status Report
Development of novel treatment and prevention for chronic eosinophilic rhinosinusitis using myeloid-derived suppressor cells.
Project/Area Number |
16K15721
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岡野 光博 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (60304359)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 好酸球性副鼻腔炎 / 骨髄由来免疫抑制細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
Myeloid-derived suppressor cells(MDSC:骨髄由来免疫抑制細胞)は、Lineageマーカー陰性の未熟な骨髄系細胞の集団であり、IL-10産生などを介して強力な免疫抑制作用を示す。主に腫瘍の領域で研究が進み、抗腫瘍免疫を抑制し転移や再発に関与する。近年、MDSCは感染や外傷あるいは自己免疫等により誘導された炎症に対しても抑制的に作用することを示す報告がみられるようになった(Kwak Y et al. Arch Immunol Ther Exp 2015など)。好酸球性気道炎症の領域においては、マウス喘息モデルにおいてCOX阻害によりMDSCが減少しTh2応答が悪化すること、およびPGE2が骨髄からのMDSC分化を促進するという、非常に興味深い報告が昨年なされた(Shi M, et al. J Allergy Clin Immunol 2014)。 我々は、好酸球性副鼻腔炎におけるCOX代謝、特にPGE2の抗炎症作用について検討を進めてきた(JACI 2009など)。好酸球性炎症の強い例ではPGE2合成酵素(m-PGES-1)の発現が低下すること、PGE2は主にEP2受容体を介してIL-5やIL-13など2型サイトカインの産生を抑制すること等の知見を基盤として、好酸球性副鼻腔炎の本態は合成酵素や受容体の発現低下によるPGE2シグナルの抑制であると仮説(PGE2 impairment theory)し、解析を進めている。 本年度は,鼻茸中のMDSCの頻度について検討した。対象は非喘息患者由来鼻茸,アスピリン不耐患者由来鼻茸,アスピリン過敏患者由来鼻茸である。鼻茸を酵素処理し,細胞を単離した。その結果,鼻茸分離細胞中にHLA-DR陰性CD33陽性細胞、すなわちMDSC様細胞を約0.2-4%認めた。一方,3群間の間でその発現率に有意な差を認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
鼻茸からの骨髄由来免疫抑制細胞の単離に成功した。またフローサイトメトリーによる骨髄由来免疫抑制細胞の同定にも成功した。症例数も順調に増加しており,研究全体としては概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,研究の主眼である,骨髄由来免疫抑制細胞のPGE2産生能について検討を進める。MDSCよりmRNAを抽出し、リアルタイムPCR法にてCOX(COX-1/COX-2)、PGE2合成酵素(c-PGES/m-PGES-1/m-PGES-2)、EP受容体(EP1/EP2/EP3/EP4)の発現量を求める。またMDSCをプレートに静置し、培養上清中のPGE2をELISAにて測定する。さらに上述のPGE2代謝関連分子発現の臨床的意義を検討する。
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Causes of Carryover |
次年度は研究の主体であるPGE2代謝に関する研究を行うため,次年度使用額を生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
MDSCよりmRNAを抽出し、リアルタイムPCR法にてCOX(COX-1/COX-2)、PGE2合成酵素(c-PGES/m-PGES-1/m-PGES-2)、EP受容体(EP1/EP2/EP3/EP4)の発現量を求める。またMDSCをプレートに静置し、培養上清中のPGE2をELISAにて測定する。これらのPGE2代謝関連分子発現の臨床的意義を検討する。また鼻茸分離細胞を外毒素にて刺激する際に、種々の細胞数のMDSCを添加し、上述のサイトカイン産生に変化を生じるのか検討する。もしも仮説通りMDSCによる鼻茸分離細胞からの2型反応(IL-5やIL-13産生)の抑制がみられたなら、この抑制がPGE2代謝を介するものであるか、COX阻害薬やEP受容体拮抗薬あるいはm-PGES-1合成阻害薬などを添加し解析する。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Regulatory effect of TLR3 signaling on staphylococcal enterotoxin-induced IL-5, IL-13, IL-17A and IFN-γ production in chronic rhinosinusitis with nasal polyps.2016
Author(s)
Okano M, Fujiwara T, Kariya S, Higaki T, Makihara S, Haruna T, Noyama Y, Koyama T, Omichi R, Orita Y, Miki K, Kanai K, Nishizaki K.
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Journal Title
Allergology International
Volume: 65
Pages: 96-102
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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