2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel treatment and prevention for chronic eosinophilic rhinosinusitis using myeloid-derived suppressor cells.
Project/Area Number |
16K15721
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岡野 光博 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (60304359)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 骨髄由来免疫抑制細胞 / 好酸球性副鼻腔炎 / プロスタグランジンE2合成酵素 / 鼻茸 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回我々は、好酸球性副鼻腔炎患者におけるMDSCおよびプロスタグランジンE2合成酵素(PGES-1)の発現について検討した。 材料は鼻茸を合併する慢性副鼻腔炎患者12名から酵素処理で分離した鼻茸細胞と、鼻茸を合併しない慢性副鼻腔炎患者6名から分離した鉤状突起細胞である。これらの細胞からBioblue非染色の生細胞を抽出し、磁気ビーズを用いたNegative SelectionにてLineage(CD3/CD19/CD20/CD56)陰性細胞を単離した。HLR-DRとCD33の染色を行い、HLA-DR陰性CD33陽性のMDSCのMDSCを同定し、全細胞に占める割合を算出した。Lineage陰性HLA-DR陰性CD33陽性のMDSCのPGES-1mRNAの発現をリアルタイムPCR法にて測定し他の細胞群との発現量を比較検討した。 その結果、鉤状突起に比較して鼻茸ではLineage陰性HLA-DR陰性CD33陽性のMDSC発現率は高い傾向(P=0.097)を認めた。鼻茸細胞の由来をJESREC基準に従い好酸球性(n=9)と非好酸球性(n=3)に分けて比較した。その結果、好酸球性副鼻腔炎由来の鼻茸細胞におけるHLA-DR陰性MDSCの発現率は非好酸球性副鼻腔炎由来の鼻茸細胞に比較して有意に高かった(P=0.036)。またLineage陰性HLA-DR陰性CD33陽性のMDSCのmRNA発現量はLineage陽性細胞(P=0.023)およびLineage陰性HLA-DR陽性細胞(P=0.042)よりも有意に高かった。 以上の結果から好酸球性副鼻腔炎の病態にMDSCの発現が関与し、プロスタグランジンE2合成酵素量の発現を介して好酸球性炎症や鼻茸形成などの病態を調整している可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)