2017 Fiscal Year Annual Research Report
Optical Biopsy in Head and Neck tumors using micro-endoscope
Project/Area Number |
16K15727
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Research Institution | Foundation for Biomedical Research and Innovation |
Principal Investigator |
船曳 和雄 公益財団法人先端医療振興財団, その他部局等, 研究員(上席・主任研究員クラス) (00301234)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 光学生検 / 顕微内視鏡 / がん微小環境 / 可視化 / 細胞周期 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度からの引き続きで、頭頸部腫瘍、特に扁平上皮癌の迅速診断における有用性について検討した。アクリフラビン滴下による迅速蛍光染色では、正常粘膜領域と扁平上皮癌領域とで核の均一性、分布等に明確な差が認められる例が多く、頭頸部外科領域に於ける顕微内視鏡のリアルタイム光学生検による組織学的評価の有用性を示唆する結果であった。しかし、表在限定のCIS(carcinoma in situ)症例では、励起用レーザー光(青色 473nm)によるnarrow band imaging(NBI)のようなマクロ観察で同様に腫瘍病変と正常粘膜との差が明瞭であり、これらを超える情報は核を中心とした単色の染色組織像から得ることは難しい印象を持った。また、進行癌等では、正常組織と比べて組織構造が大きくことなり、リンパ球、好中球等の各種免疫細胞が多く浸潤した炎症性組織との鑑別には注意を要すると考えられた。 同時に我々は、顕微内視鏡の癌微小環境の可視化への有効性を検討した。具体的には、がん細胞の細胞周期により蛍光を変化させるFucci5(理研BSI 宮脇研より分与)を発現したヒト肉腫細胞をNudeマウスにXenograftして確立した腫瘍モデルを用いて、週に2回、顕微内視鏡による観察を繰り返し3週間に渡って行った。結果、腫瘍の増大とともに腫瘍周辺部では細胞分裂の盛んな細胞が多く見られたが、腫瘍の中心部では、すべての細胞が細胞分裂の休止期に入っていることが明らかとなった。上記結果は、Ficciと顕微内視鏡の組み合わせによりin vivoで個々の細胞の細胞周期が可視化できることを意味する。また、各種抗がん剤の投与にて、腫瘍周辺部の細胞もすべて分裂休止期に入り、抗がん剤投与終了後より、再び、細胞分裂が盛んになる様子を可視化することに成功した。
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