2017 Fiscal Year Annual Research Report
Alteration of cornea thickness by modifying component of corneal extracellular matrix
Project/Area Number |
16K15739
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
赤間 智也 関西医科大学, 医学部, 准教授 (10548788)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 細胞外マトリックス / グリコサミノグリカン / ケラタン硫酸 / 角膜 / グリコシダーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
ケラタン硫酸グリコサミノグリカン(KS-GAG)の角膜実質細胞外マトリックス構築に与える影響を調べる目的で、KS-GAGの糖鎖伸長酵素であるβ3GnT7の遺伝子を成体マウスの角膜において発現を停止させその影響を角膜厚の変化、コラーゲン線維の走行の変化として解析することを計画している。予備実験として遺伝子発現を制御する薬物(タモキシフェン)の角膜塗布による角膜細胞への効果をレポーターマウス(Rosa-CreERT2/mTmG)を用いて確認した。マウスを麻酔した後、3.6 mg/mLの濃度で眼科用ワセリンに懸濁してある活性型タモキシフェン(4-hydroxytamoxifen)を眼球表面に塗布し、1時間後に麻酔を解除した。この薬物投与を1日1回、2日から5日の連続投与を行い、最終投与後1週間を経過してから眼球を摘出し共焦点レーザー蛍光顕微鏡にて遺伝子発現変化の効果を調べた。2日投与では角膜上皮細胞の一部と角膜実質細胞の一部でCreERT2の活性化による蛍光タンパク質発現の変化が確認され、角膜実質細胞の一部に遺伝子発現変化を生じさせるには2日間投与で充分であることが分かった。また投与回数を多くすると遺伝子発現変化の効率も上昇し、5日間連続投与ではほとんどの角膜上皮細胞と角膜実質細胞、また多数の角膜内皮細胞まで遺伝子発現の変化が確認された。KS-GAG分解酵素のクローニングはこれまでに二種類の酵素(エンドβガラクトシダーゼとケラタナーゼII)のクローニングに成功しており、ケラタナーゼIIについては活性を維持しつつその分子量を2/3に減少させることに成功した。しかし至適pHは5.5と弱酸性であり、中性付近に至適pHを移動させることはできなかった。
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