2016 Fiscal Year Research-status Report
生体小腸由来3次元scaffoldを用いた移植可能人工小腸作製
Project/Area Number |
16K15742
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡本 晋弥 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (00329377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安近 健太郎 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (00378895)
上本 伸二 京都大学, 医学研究科, 教授 (40252449)
石井 隆道 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (70456789)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 脱細胞化小腸 / 小腸移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
小腸不全に対する唯一の根本的治療は小腸移植であるがその成績は不良であり、新たな治療戦略の探求が必要とされる。本研究は脱細胞化技術を用いて作製した小腸3次元構造を鋳型として、消化・吸収といった腸管上皮機能を有する小腸グラフトを作製すること、および作製した小腸グラフトを体内に移植し機能を維持させることを目的とする。 初年度はまず脱細胞化小腸を作製することから着手した。我々のグループから報告したラット肝臓の脱細胞化技術を応用し、Triton X-100/EGTA溶液を灌流することにより脱細胞化小腸を作製することができた。組織標本において核や細胞質の成分が認められないことを確認し、再現性を伴って安定的に脱細胞化小腸の3次元スキャフォールドを得ることができるようになった。 次に作製した脱細胞化小腸を使用した移植手技確立と生体における許容性評価のため、生体ラット腸管への移植を試みた。3cmの脱細胞化小腸グラフトを作製後、ラット近位小腸を切離し端々吻合にて吻合した。ラットは脱細胞化小腸グラフト移植後長期生存することを確認し、移植後6週の時点で開腹して観察したところ吻合部小腸からの明らかな腸管内容漏出を認めないことを確認した。 今後は、作製した脱細胞化小腸において、遺残DNAの解析や電子顕微鏡による詳細な構造の評価、免疫染色による細胞外マトリックスの成分解析を行うと共に、生体に移植された脱細胞化小腸グラフトのより詳細な組織評価を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラット脱細胞化小腸腸管全層の吻合が困難であることや縫合不全などの問題により、ラット脱細胞化小腸を生体に安全に移植することにやや時間を要したが、ステントの使用やパッチを作製することなどにより問題は解決されつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は脱細胞化小腸スキャフォールドの作製、脱細胞化小腸の再細胞化、再細胞化小腸の生体への移植という段階から成る。脱細胞化小腸スキャフォールドは安定して得られ、ラット生体への移植も徐々に安全に施行できるようにはなってきた。
今後は再細胞化小腸の作製と機能的評価、生体に移植された小腸グラフトの組織像評価、人工小腸グラフトが生体に与える影響を評価していく予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] Liver sinusoidal endothelial cell as a cell source to fabricate vasculature and maintain performance of hepatocyte in engineered liver graft2016
Author(s)
Hidenobu Kojima, Kentaro Yasuchika, Ken Fukumitsu, Satoshi Ogiso, Yuya Miyauchi, Ryoya Yamaoka, Takayuki Kawai, Hokahiro Katayama, Elena Y Yoshitoshi, Sadahiko Kita, Katsutaro Yasuda, Naoya Sasaki, Takamichi Ishii, Junji Komori, Shinji Uemoto
Organizer
The Liver Meeting 2016. American Association for the Study of Liver Disease
Place of Presentation
Boston, MA, USA
Year and Date
2016-11-11 – 2016-11-15
Int'l Joint Research
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[Presentation] Optimizing recellularization of decellularized whole-liver graft: from which route and with which cell?2016
Author(s)
Satoshi Ogiso, Kentaro Yasuchika, Ken Fukumitsu, Takamichi Ishii, Hidenobu Kojima, Yuya Miyauchi, Ryoya Yamaoka, Hokahiro Katayama, Takayuki Kawai, Sadahiko Kita, Shinji Uemoto
Organizer
the American College of Surgeons 102nd Clinical Congress
Place of Presentation
Washington DC, USA
Year and Date
2016-10-19
Int'l Joint Research
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[Presentation] Biliary tree as a window for repopulation of the decellularized liver scaffold.2016
Author(s)
Satoshi Ogiso, Kentaro Yasuchika, Ken Fukumitsu, Takamichi Ishii, Hidenobu Kojima, Yuya Miyauchi, Ryoya Yamaoka, Hokahiro Katayama, Takayuki Kawai, Elena Yukie Yoshitoshi, Sadahiko Kita, Katsutaro Yasuda, Shinji Uemoto
Organizer
26th International congress of the transplantation society
Place of Presentation
Hong Kong
Year and Date
2016-08-20
Int'l Joint Research
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