2016 Fiscal Year Research-status Report
腸神経堤由来細胞の細胞遊走をガイドする神経-周辺組織間コミュニケーションの探索
Project/Area Number |
16K15743
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
河野 美幸 金沢医科大学, 医学部, 教授 (10153496)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 腸管神経発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒルシュスプルング病(HSCR)は、胎生期に腸管神経系(ENS)を形成する腸神経堤由来細胞(ENCCs)の運動、増殖などに異常が生じて発症する。HSCRにおける神経節細胞欠損の過程は明らかになりつつあるが、その分子メカニズムに関してはほとんどわかっていない。本課題では、ENCCsの遊走に着目し、マウス胎仔の腸管形成におけるENCCs遊走を調節する分子を、遊走能の高いENCCs周辺組織から探索することを試みた。 マウス胎仔腸管へのENCCsの移植実験から、マウス胎生13.5日(以下E13.5と表記)までの腸管では移植されたENCCsは腸管上を遊走、成熟し、神経ネットワークを形成するのに対し、E14.5以降の腸管では移植したENCCsが腸管上をほとんど遊走しないことが報告された(Druckenbrod NR, Development 2009、Hotta R, J Clin Invest 2015)。これらの報告は、E13.5-E14.5を境として出現するENCCs遊走抑制機構の存在と、その細胞遊走抑制機構が、細胞補充療法の妨げとなっていることを連想させた。そこでE13.5-E14.5に出現するENCCs遊走の抑制機構を明らかにする目的でE11.5とE15.5マウス腸管の比較マイクロアレイ解析を行った。この結果、細胞遊走促進の候補遺伝子14遺伝子、細胞遊走阻害細胞外マトリクスの候補遺伝子30遺伝子を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたFRETプローブ発現マウスを利用した解析は、検出感度の問題から以降の研究につながるだけの結果を得られなかった。しかし、マイクロアレイ解析と蛍光免疫染色、In situ hybridizationを組み合わせた解析でENCCs遊走に影響を持つ可能性のある因子の候補を探索できたので計画が順当に進んだと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
申請した計画通りに研究を進める。
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