2019 Fiscal Year Annual Research Report
Tissue circulation monitoring system using flexible substrate.
Project/Area Number |
16K15745
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
富岡 容子 (桂木容子) 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20610372)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 血流障害 / モニタリング / フレキシブル / 遊離移植 / 血流異常 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの遊離組織移植術後の血流評価は、数時間毎の診察やピンプリック所見に頼っていた。しかしこれは医療者の負担が大きく、客観性に欠ける問題を抱えていた。そこで本研究において、柔らかいフィルム状の基材の上に微小なセンサーを多数実装する技術を活用することで組織全体を昼夜継続して血流測定できるシステムを世界で初めて実現した。 多点において、多項目を同時・継続的に観察することができるため、血流をより高精度に、かつ面状に測定することを期待し、先に動物実験ののちには臨床研究につなげるべくプロトコルを作成した。具体的には色・温度・脈波を測定する素子をフィルムに搭載し、データをタブレットに無線送信し、保存・表示するシステムを構築した。その上で動物の虚血モデル・鬱血モデルにおいてそれぞれ血流異常の判定を下すプログラムを作成した。安定したアルゴリズムを確立したところでヒト用にプログラムを改変し、臨床試験につなげた(補足:臨床試験については別予算にて研究を推進した)。 上記過程でハード不備による有害事象を認めたため、省令GCPに準じるレベルまで機器の改良と検証を重ねた。 臨床試験から得られたデータをヒントに、動物モデルでの検証を進め、もともと脈波による血流異常の判定が最も特異度が高かったものの、血流障害発生時の色変化をモデル化し、また温度応答計測により正常時と虚血時の時定数変化に有意差が認められることを発見した。このことにより、多項目測定は従来法で検知できなかった血流障害を検知できる可能性をさらに裏付けた。
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