2017 Fiscal Year Annual Research Report
Application of biomaterials for regulation of osteoblast differentiation to craniosynostosis
Project/Area Number |
16K15746
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
井関 祥子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (80251544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
由井 伸彦 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (70182665)
上田 晃一 大阪医科大学, 医学部, 教授 (90257858)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ポリロタキサン / 頭蓋縫合早期癒合症 / 骨芽細胞分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度に合成した異なる分子運動性を持つポリロタキサン(PRX)を用いて細胞動態への影響を検討した。 分子運動の高低が細胞増殖に与える影響は、細胞の種類により異なっており、線維芽細胞と比較すると骨芽細胞への影響が強かった。 骨芽細胞分化に対しては、骨芽細胞様細胞を用いた培養により、分子運動性が骨芽細胞分化マーカーの発現レベルに影響することを観察した。しかしながら、通常のプラスチック細胞培養皿表面やガラス表面上での培養と同様の骨芽細胞分化マーカー発現パターンを示すPRXコーティングは、合成したPRXでは得られず、通常の細胞培養表面とPTXコーティング表面との細胞接着様式が異なることが原因の可能性が示唆された。このメカニズムについては今後の検討事項である。骨芽細胞マーカーの発現変動について、Runx2は分子運動性とは関係なく、対照となるプラスチック培養皿やガラス表面での培養と同様な発現レベルが維持されていた。一方、I型コラーゲンについては、PRXの分子運動性の違いによって、発現レベルの上昇のタイミングが変化している可能性が示唆された。さらには、転写因子アクチベーターであるYorkieのホモログであるYAP(Yes-associated protein)とTAZ(transcriptional coactivator with PDZ-binding motif)は、細胞が接する環境やそれに基づく細胞の形態によって機械的シグナルを核へ送る伝達装置であるが、このYAP/TAZの細胞内での局在が分子運動性と相関することを観察した。 Saethre-Chotzen症候群のモデルマウスであるTwist1+/-マウスから分離した初代骨芽細胞では、既報通り野生型と比較して石灰化が亢進していたが、PRXコーティング表面上で培養すると石灰化の度合いが野生型と同様になり、本研究の仮説通り、頭蓋縫合早期癒合症患者の骨芽細胞の分化促進状態をPRXによって抑制できる可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)