2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the method which focus its attention on a stem-cell niche, for regenerating long-term form-retaing auricular cartilage by the piece transplantation of a perichondrium
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16K15747
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小室 明人 金沢大学, 附属病院, 講師 (80387365)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 再生医療 / 軟骨膜 / 幹細胞ニッチ |
Outline of Annual Research Achievements |
<目的>耳介軟骨再生医療における重要課題である長期形態維持性の確保を目標に、軟骨膜血管新生と低酸素ニッチに着目した耳介軟骨膜幹細胞からの軟骨再生過程の解明のため家兎耳介軟骨を用い研究を計画した。 <方法>1)in vivoで軟骨膜の血管新生と軟骨膜からの軟骨再生過程の観察、軟骨欠損の大きさによる再生過程の違いの検討:当初左右耳介に各2カ所(1羽で計4カ所)、軟骨膜を温存して皮膚・軟骨膜を弁状に挙上し、10×10mm、15×15mmの2種類の軟骨欠損を作成。しかしこのモデルでは、処置後1ヵ月での軟骨再生観察前に処置部位の全層壊死が生じることが多く、観察不能であった。各耳介での2か所の欠損作成による血流障害が原因と考え、左右耳介に各1カ所(1羽で計2カ所)に欠損部を作成するモデルに変更した。2)軟骨膜幹細胞を含む軟骨膜のex vivoでの培養系を用い、軟骨膜幹細胞の低酸素ニッチと低酸素誘導性因子(HIF)の関連を同定:まず困難であった薄い家兎耳介から耳介軟骨を含まずに軟骨膜を採取する手技を剥離子などの道具を工夫することにより確立した。 <結果>1)処置後1ヵ月で軟骨再生を観察できるin vivoでの耳介軟骨膜温存・軟骨再生モデルを確立した。今後は軟骨再生の際に軟骨膜内に生じる血管新生が軟骨膜幹細胞の静止・活性化の動態制御機構のニッチ因子として作用するか、血管新生阻害剤(抗VEGFヒト化モノクローナル抗体)と血管新生刺激剤(bFGF)の投与を行い、HIFに着目して関与する因子の同定を行っていく予定である。2)4羽連続して、1のin vivoの実験系で採取した耳介軟骨側に軟骨膜が含まれていないことを組織学的に確認し、軟骨膜幹細胞を温存した軟骨膜のex vivoでの培養実験を開始した。同組織培養系で軟骨再生を認めれば、培養酸素濃度の変化によるHIFの発現について検討していく予定である。
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