2016 Fiscal Year Research-status Report
薬剤誘発リンパ管-静脈吻合によるリンパ浮腫に対する新しい治療法の開発
Project/Area Number |
16K15748
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 優 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (00739724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀井 譲 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10257678)
蛯沢 克己 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (20397459)
中村 亮太 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (40761060)
高成 啓介 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (80378190)
神戸 未来 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50597862)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | リンパ浮腫 / リンパ管静脈吻合 |
Outline of Annual Research Achievements |
リンパ浮腫は手術や外傷によるリンパ管の損傷、または先天性なリンパ管の形成不全の結果、損傷部位の末梢側のリンパ液還流が阻害され、浮腫が起こる疾患で、浮腫以外にも痛みやかゆみを生じ、進行すると不可逆性になるなど様々な問題が生じる。現在のところ臨床的には理学療法および手術療法(リンパ管静脈吻合など)が行われているが、根治は困難である。特に乳がんや子宮がんの手術の際に行うリンパ節郭清の術後に生じやすく、これら癌患者の苦痛の大きな要因の一つとなっており、画期的な治療法が待たれているのが現状である。 われわれは、個体発生時の静脈角においてリンパ管と静脈が合流することに着目し、静脈角形成時の静脈角周囲において発現している液性因子の検討を行っている。それにより、リンパ管-静脈間の吻合を薬剤性に誘導する新しい治療の可能性について検討を行い、これまでにない低侵襲な薬剤局所注入治療法の開発を目標としている。 今年度はマウスの器官形成期である胎生10日前後の胚を作成し、静脈角の同定を行い、しかるのちに静脈角周囲の組織に対し、免疫染色を行い、その発現の部位、強度を評価する予定であった。任意の時期の検体作成に苦心したが、マウスのメイティング技術の確立をすることができた。成体マウスにおいて静脈角を同定を試みたが困難であったため、ホールマウント染色および、レーザーマイクロダイセクションを利用することで静脈角の同定及び染色を行う事とした。 現在、検体の再作成を行いつつ、染色備品の取り寄せ、機器取扱についての申請などを行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
器官形成期の胚を作成しようとしたところ検体作成が困難であった。現在、メイティングの技術が確立し、任意の時期の胚を得る事に成功した。 成体マウスにて静脈角の同定を行ったところ、困難であった。そのため、ホールマウント染色および、レーザーマイクロダイセクションを利用することで静脈角の同定及び染色を行う方針とした。
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Strategy for Future Research Activity |
静脈角の形成期において発現している液性因子を網羅的に解析し、候補となる因子を同定する。候補は複数個あげられることが予想さる。in vitroにてリンパ管/静脈管の共培養を行い、上述した因子を導入し、リンパ管静脈吻合が最も促される組み合わせ方法を検討する。
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Causes of Carryover |
使用予定であった免疫染色がまだ中途であったため、次年度以降におこなうこととなるため繰越にて使用することとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
免疫染色の試料代金および、レーザーマイクロダイセクションの機器利用代金
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