2016 Fiscal Year Annual Research Report
Novel simulation technique for diagnosing heparin-induced thrombocytopenia (HIT)
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16K15764
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
伊藤 隆史 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 講師 (20381171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 征郎 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任教授 (20082282)
垣花 泰之 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (20264426)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ヘパリン起因性血小板減少症(HIT) / ポイントオブケア / 血栓 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)はしばしば血栓塞栓症を合併し、その際の致死率は5-20%に及ぶ。このため、早期診断・介入が重要だと考えられるが、HIT診断のための検査体制は整っていない。近年我々が開発したリアルタイム血栓モニタリングシステム(T-TAS)は、血小板、白血球、血漿成分などを含んだ全血検体を用い、患者の出血傾向、血栓傾向を、ベッドサイドで視覚的・定量的に評価することができる新しい検査システムである。本研究課題は、T-TAS上でヘパリン負荷試験を行うことによって、患者の体外でHIT病態をシミュレーションし、ポイントオブケアのHIT診断の新体系を構築しようとするものである。 まずはじめに、ヘパリン負荷試験に用いるT-TASの至適条件設定を検討し、HIT診断に適した流路条件、血流条件を決定した。次に、この条件のもとで、T-TAS上でヘパリン負荷試験を行ったところ、 健常人の血液(ヒルジン加全血)にヘパリンを添加すると、血栓形成能の低下を認めたが、HIT患者の血液(ヒルジン加全血)にヘパリンを添加すると、血栓形成能が亢進することを確認した。このことから、本システムはHIT診断に有用である可能性が示された。その後、検討を重ねていくなかで、アスピリンやクロピドグレルなどの抗血小板を服用している患者の場合、本システムで偽陰性となる可能性が示唆された。このため、従来の抗体検査の結果や臨床的確からしさを組み合わせた総合的判断が重要だと考えられるが、T-TASを用いたヘパリン負荷試験は簡易でベッドサイドでも実施可能であり、HIT診断の際の補助判断材料として有用であると考えられた。
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Research Products
(4 results)