2016 Fiscal Year Research-status Report
新規生体危険信号因子ヌクレオフォスミン投与による生体反応の解析
Project/Area Number |
16K15770
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
川原 幸一 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10381170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 征郎 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任教授 (20082282)
升田 好樹 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (10244328)
三浦 直樹 鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 准教授 (80508036)
伊藤 隆史 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 講師 (20381171)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 敗血症 / ヌクレオフォスミン |
Outline of Annual Research Achievements |
最近、敗血症の病態の進行に伴い、細胞の核から生命維持に必須なタンパク質が放出され本来の生命維持機能とは全く逆の生体を死へ導く分子、すなわち生体危険信号因子(例 High Mobility Group Box-1(HMGB1)、ヒストンなど)が報告された。この因子の制御機構の解明は新規敗血症の治療につながる。研究代表者らは新規の生体危険信号因子(アラーミン)、ヌクレオフォスミンを発見し、細胞レベルでの機能を解明した。しかしながら、個体レベルにおいてヌクレオフォスミンの機能は未だ解明されていない。よって本研究は、アラーミンとしてのヌクレオフォスミンを個体レベルで解決し、臨床応用へと展開するための研究基盤を確立する。 平成28年度は研究計画書にもとづいて、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)をタグとした大腸菌用ベクター(pGEX6P-1)にヌクレオフォスミンを組み込んだ。具体的には、4つのベクターを確立した。すなわち、ヌクレオフォスミンの全長、ヌクレオフォスミンの一次構造からN末側、中心部、C末側である。さらにこれの発現条件を検討した。その結果、ヌクレオフォスミンの大量発現系を確立した。しかしながら、得られたヌクレオフォスミンの機能などに関しては行っていない。したがって、今後、研究代表者らは細胞にヌクレオフォスミンを刺激を行う。そして、①刺激後の培養上清中のサイトカイン(TNF-αなど)産生の検討、②マウス・ラットを用いて本課題の生体反応の解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画書どおりに進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
アラーミンの代表的な分子はHMGB1、ヒストンである。これらは細胞、個体レベルでの機能が解明されている。具体的には、①個体死の誘導、②炎症性サイトカインの産生惹起である。しかしながら、NPMは未だ細胞レベルまでしか機能解明されていない。よって上述の①、②の証明を行う。
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Causes of Carryover |
マウスの購入のために次年度への繰越額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
カプランマイヤー法による生存曲線を用いて、ヌクレオフォスミンが個体死を誘導するかを調べるにはマウスの購入が必須なためである。
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