2017 Fiscal Year Annual Research Report
Basic research for development of effective inducing strategy of sublingual immune tolerance
Project/Area Number |
16K15772
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅原 俊二 東北大学, 歯学研究科, 教授 (10241639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒石 智誠 東北大学, 歯学研究科, 講師 (30400261)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 免疫寛容 / 舌下免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、免疫制御に必須な役割を担う制御性T 細胞の誘導機構に着目し、抗原と共に制御性T 細胞誘導に関わる候補物質を過敏症モデルマウスに投与することにより、舌下免疫寛容の増強効果が期待される物質を選定し、その増強効果の最適化を目指す。さらに、アレルギー性ぜんそくマウスモデルに応用して効果を明確に示し、臨床応用のための基礎的研究基盤を提示することを目的としている。平成29年度は前年度に選定した候補物質の舌下免疫寛容増強効果についてさらに検討を進め、以下の実績を得た。候補物質は特許の関係上、物質Aとする 1)舌下粘膜樹状細胞はビタミンA の代謝産物レチノイン酸を合成し、このレチノイン酸が顎下リンパ節での制御性T細胞の誘導に不可欠である。このため、物質Aが口腔粘膜樹状細胞のレチノイン酸産生能に影響を及ぼすかについて、フローサイトメトリー(ALDEFLUOR 試薬を用いた レチノイン酸合成能測定法)で検討した。その結果、物質Aは口腔樹状細胞のレチノイン酸合成能には影響を及ぼさないことが明らかになった。作用機序についてはさらに検討を進めている。2)遅延型過敏症マウスモデルでの検討:マウスに抗原(卵白アルブミン)で遅延型過敏症の感作を行った後に、抗原と物質Aで舌下免疫療法を実施すると、その効果は長期間持続することが判明した。3)その他のマウスモデル:卵白アルブミンを抗原とした食物アレルギーモデルを用い、検討を進めている。
以上の実績は、臨床応用のための基礎的研究基盤を提示するという当初の目的が達成されたと評価できる。
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