2016 Fiscal Year Research-status Report
IX型分泌システムの二つの異なる制御系によるカスケード調節の解明
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16K15776
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中山 浩次 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (80150473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門脇 知子 (筑波知子) 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (70336080)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 細菌 / 歯学 / 生体分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)porX変異株でのSigPシグマタンパク質の不検出についてmRNAレベルかタンパク質レベルかを調べた。その結果、タンパク質レベルであることが示唆された。そこで細胞質内のタンパク質の品質管理に関わるタンパク質をコードするいくつかの遺伝子の欠損株を構築した。その結果、PGN_1550 (clpX)の変異株ではporX変異があってもSigPタンパク質の発現がみられた。このことはPorXがない環境ではSigPシグマはClpXPプロテアーゼによって分解されることを示唆した。porX clpX二重変異株ではSigPタンパク質の発現はみられたが、ジンジパインなどのIX型分泌機構で分泌されるタンパク質の分泌はみられなかった。すなわち、SigPシグマは分解されなくてもPorXタンパク質がないとPorTなどIX型分泌機構の構成タンパク質をコードする遺伝子の発現が生じていないことが示唆される。これらの遺伝子の発現にはPorX-SigP複合体が必要なのかもしれない。 (2)PorXとSigPとの関係を調べるため、大腸菌にて組換え型のPorX及びSigPタンパク質を作製した。得られたタンパク質について表面プラズモン共鳴法を用いて相互作用があるかどうかを調べた。その結果、両タンパク質は結合することがわかった。さらにSigPにMycタグを付けた遺伝子を構築し、P. gingivalis菌体に導入し、抗PorX抗体を用いて免疫沈降を行い、そのなかにSigPがふくまれているかどうかをMyc抗体で調べた。その結果、in vivoでも両タンパク質は結合することがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2016年にScientific Reports誌に「A two-component system regulates gene expression of the type IX secretion component proteins via an ECF sigma factor」を発表できた。
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Strategy for Future Research Activity |
調節の関与すると思われる新たな遺伝子も同定でき、このままの計画で進める。
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Causes of Carryover |
物品費(消耗品)等をできるだけ節約したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額として137,285円ほど残金があるが、物品費(消耗品)で使用する計画である。
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