2016 Fiscal Year Research-status Report
TOF-MSと電気伝導率に基く新しい硬組織透過性定量測定法の歯科保存領域への展開
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16K15794
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
池田 英治 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 講師 (20222896)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | エナメル質 / 電気伝導率 / 飛行時間型質量分析計 / 透過性 / 象牙質 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 研究計画の打合せ・立案(抜去歯、動物実験) 連携研究者1の興地から歯髄反応の免疫組織学的研究への助言を得、連携研究者2の北迫から酸性食品によるエナメル性状の変化歯髄内への物質透過性の増加への助言を得、連携研究者3の泰羅からTOF-MSの原理、使用法の助言を得ている。研究協力者の医員、大学院生、大学院研究生の4名とともに、研究計画の詳細を検討・立案した。 2. 電位伝導率を用いたエナメル質/象牙質透過性の定量計測 申請者らが前実験としてヒトエナメル質/象牙質を用いて局所麻酔薬を用いて独自に定量解析・報告した方法(Ikeda, Suda, Arch. Oral Biol. 341-347, 2013) に基いてin vitroと動物実験を行った。申請者らはこれまで、抗菌薬、消炎鎮痛薬に関する象牙質透過性の定性的データをもつ(Puapichartdumrong, Ikeda, Suda Int Endo J, 674-681, 2003)ので、本研究の定量測定実験結果と対照することが可能であった。また、酸性食品およびホワイトニングの本研究での実験遂行に関して、連携研究者(北迫、泰羅)との密な打ち合わせを行った。 3. TOF-MS(飛行時間型質量分析計)を用いた硬組織透過性の定量計測 連携研究者(泰羅)の助言・指導の下に、TOF-MSを用いた実験方法を詰め、研究協力者とともに、ヒト抜去歯を用いて、イオン化した局所麻酔薬の透過性を定量計測し、電気伝導率で得た数値と比較検討する計画をたてた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1. 電位伝導率を用いたヒトエナメル質/象牙質透過性の定量計測 連携研究者(興地、北迫、泰羅)の助言と研究協力者の大学院生、大学院研究生の3名とともに、研究計画の詳細を検討・立案した。局所麻酔薬、抗菌薬、消炎鎮痛薬に関して、分光光度計を用いた定量化した数値と、電気伝導度を用いた数値には統計学的に差の無い、定量測定結果がでた。 酸性食品およびホワイトニングの本研究での実験遂行に関して、連携研究者(北迫との密な打ち合わせを行った。ただし、北迫が交付決定後、退職したため、それまでの直に会って行えた研究相談がほとんどメールでのみ可能となったことの影響は大きい。 2.TOF-MS(飛行時間型質量分析計)を用いた硬組織透過性の定量計測 連携研究者(泰羅)の助言・指導の下に、TOF-MS(飛行時間型質量分析計)を用いた実験方法を詰め、研究協力者計4名とともに、ヒト抜去歯を用いて、イオン化した局所麻酔薬、の透過性を定量計測し、電気伝導率で得た数値と比較検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.ヒトエナメル質/象牙質の酸・漂白処理による透過性変化 ヒトエナメル質/象牙質透過性を電気伝導率を用いた定量解析法(Ikeda, Suda, Arch. Oral Biol. 2013) に基いて、研究協力者の大学院生2名、大学院研究生1名の合計3名とともに、in vitro実験を行う。それとともにに、アドレナリン受容器作動薬と拮抗薬を透過させ、反応象牙質の形成量をマイクロCTで定量比較する。
2.TOF-MSと電気伝導率を用いた硬組織透過性の定量計測とその比較 ・TOF-MS(飛行時間型質量分析計)と電気伝導率を用いた実験方法を詰め、研究協力者3名とともに、ヒト抜去歯を用いて、イオン化したTRPM8 agonistの透過性を定量計測し、両者で得た数値と比較検討する。
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Causes of Carryover |
連携研究者の北迫が退職し、エナメル質への酸性食品の臨床的なディスカッションがメール連絡に限定された。結果として、これまで実験系を既に確立してきた、電気伝導度の研究を、局所麻酔薬を用いて行った。今後、次年度に持ち越した、アドレナリンベータ作動薬、拮抗薬、TRPM8作動薬、拮抗薬の購入に備えた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
エナメル質/象牙質を透過する象牙質アドレナリンベータ作動薬、拮抗薬(Gu, Ikeda, Suda: Sympathetic Regulation of Tertiary Dentinogenesis via Beta-2 Adrenergic Receptor on Rat Odontoblasts. J Endodon, 41(7), 1056-1060, 2015)を購入し、定量数値の生物学的意味を明らかにする。 TRPM8作動薬、拮抗薬を購入し(Ikeda, Suda, Okiji. Cold Stimulus Activates Ionic Channels in Freshly Isolated Human Odontoblasts. IADR大会発表, 2016年6月23日)、透過量を定量測定するとともに、同チャネルへの影響を明らかにする。
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Research Products
(7 results)