2019 Fiscal Year Annual Research Report
Application of a new quantitative measurement of small molecule permeability through enamel and dentin using TOF-MS and electric conductivity to conservative dentistry
Project/Area Number |
16K15794
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
池田 英治 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (20222896)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エナメル質 / 電気伝導率 / 飛行時間型質量分析計 / 透過性 / 象牙質 |
Outline of Annual Research Achievements |
飛行時間型質量分析計(TOF-MS: Time-of-Flight mass spectrometer)と物質透過後の溶液内電気伝導率を計測するという2方法により、エナメル質/象牙質を通過する物質量の定量測定を行い結果を比較検討した。研究内容の目的、方法を説明して同意の得られた5名の患者(20-42歳)から抜歯したヒト健全新鮮抜去智歯を研究に用いた。エナメル・セメント境で切断した歯冠測を用い、外側から内側に通過する物質量を計測した。第一に、飛行時間型質量分析計により、構造の類似したLucifer Yellow(MW 457.2)とDextran Lucifer Yellow(MW 約10,000)を用いた。健全エナメル質表面に作用させた両物質ともエナメル質/象牙質を通過した。ことにLucifer YellowはDextran Lucifer Yellowよりも短時間でより多く透過することが明らかになった。第二に、上記2物質の濃度と溶液の電位伝導度間に(電気伝導度=2.15X2+0.027X + 0.000624、xは濃度:mmol/L)に相関性が高い(r2=0.985)ことも明らかにし、透過物質濃度を算出した。上記2種の透過物質量計測から飛行時間型質量分析計定量計測値(Y)と電位伝導率の理論から算出され透過物質量(X)の間には一次関数(Y=0.984X+0.152)への高い近似性を明らかにすることができた。両測定法とも、患者年齢による個体差を観察することができた。ただし、年齢とのlinearな関係は統計学的に明らかな相関は見いだせなかった。これは、加齢に伴う象牙質厚み増加と象牙細管内石灰化亢進による物質透過性低下と、加齢に伴う主にエナメル質で生じる微小亀裂に依る物質透過性を増大が同時に起きるためであると考えられる。
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Research Products
(2 results)