2017 Fiscal Year Annual Research Report
Control of pulpal inflammation and hard tissue regeneration by miR-21, a modulator of cross-talk between inflammation and tissue regeneration
Project/Area Number |
16K15795
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
川島 伸之 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (60272605)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マイクロRNA / miR21 / 歯髄炎 / 炎症性サイトカイン / 炎症制御 / 分化誘導 / NFkBシグナル / ERKシグナル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、歯髄組織に惹起された炎症を緩和し、治癒の方向へ導くための可能性を探ること、すなわち炎症と組織再生のクロストークから歯髄炎制御の手法の確立を目指すことである。今回、マイクロアレイによりLPS刺激したヒト歯髄幹細胞において発現が増加していたマイクロRNA(miRNA)の一つであるmiR-21 に着目した。ヒト抜去歯より分離した歯髄幹細胞をLPS(100ng/ml)にて刺激すると、IL1、TNFa、IL6といった炎症性サイトカインとともに、miR-21の 産生も誘導された。炎症性サイトカインおよびmiR21は、NFkB阻害薬により発現が抑制された。LPS刺激後にNFkBのリン酸化が亢進していたことから、LPSがTLR4あるいは2に結合した結果誘導されるNFkBシグナル下流において、miR21産生が誘導されたものと推察された。なお、miR21産生はラット実験的歯髄炎においても発現が亢進することを確認している。次にmiR21産生をmiR21 mimicにより誘導あるいはインヒビターにより抑制したところ、NFkBのリン酸化および炎症性サイトカイン産生はmimicにより抑制され、インヒビターにより促進した。また、miR21はTLR下流で働くTRAF6およびNFkBシグナルを正の方向に制御しているPDCD4の発現を抑制した。以上の結果は、miR21はNFkBシグナルに関与する因子の発現を制御し、炎症反応を抑制方向に誘導する機能を有すると推察される。一方、miR21はERKシグナルのネガティブレギュレーターであるSPRY1発現を抑制し、硬組織マーカーの一つであるOPN発現を促進した。miR21は炎症反応を抑制し、硬組織形成細胞への分化を誘導する機能を有していることが明らかになった。今後、miR21の臨床応用への展開が期待される。
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Research Products
(8 results)