2016 Fiscal Year Research-status Report
3Dプリンタに用いる樹脂・粉体混練型生分解性フィラメントの開発
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16K15803
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平田 伊佐雄 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 助教 (40346507)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 三次元印刷 / 生体材料学 / 複合材料・物性 / 歯科材料学 / 生分解性材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、熱融解積層(Fused Deposition Modeling; FDM)方式の3Dプリンタを用いた、硬組織再建用スカフォールド作製の研究が急速に進んでいる。しかしながら、その造形材であるフィラメントはPLA(ポリ乳酸), PCL(ポリカプトラクトン)など単一組成の生分解性樹脂しか用いられておらず、スカフォールドの機械的特性・骨伝導能・細胞接着性・生体内分解性などの特性を制御する方法が限定されている。 本研究は、複数の樹脂および粉体を様々な条件で混練した樹脂・粉体混練型生分解性フィラメントの開発による、生体内分解性スカフォールド造形用フィラメントのバリエーションの拡大を目的とし、熱溶融混練法を用いたポリマーブレンドおよび粉体混合を行うことにより①マイクロ多孔体形成能を有する混練フィラメントの開発、②粉体を混練した混練フィラメントの開発、③開発した混練フィラメントの3Dプリント造形能の評価、④機械的特性を連続的に調製した混練フィラメントの開発、⑤開発した混練フィラメントの細胞親和性の観察を行う。 単一組成のフィラメントと異なり、複数の組成で混練されたフィラメントは、混練物の組成や配合および混練条件を制御することにより、3Dプリンタを用いたスカフォールド作製用造形材のバリエーションを大幅に拡大することが可能となる。 平成28年度は、①②③について、45-90umの塩化ナトリウムを0-75wt%の量で混練したPLAペレットを作製し、塩化ナトリウム混練PLAフィラメントの作製および3次元印刷の試行を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
助成金の減額により、当初購入予定の二軸混練装置が入手不能となり、外部の装置の利用及び混練依頼の検討に時間がかかり、フィラメントの原料となる粉体混練ペレットを作製が遅れてしまった。 次に、粉体混合ペレットを簡易型の一軸押出装置を用いて押し出したところ、ペレット内の粉体量が高まると、押出機の高トルクモーターに、押出機のフレームが耐えきれなくなり、押し出せなくなった。 現在、押出機の強化フレームの設計を行っており、強化フレーム導入後、高粉体量ペレットのフィラメント押出を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
混練フィラメント作製において、現在は二軸押出機によるペレット作製と、一軸押出機によるフィラメント押出を別々に行っているが、可能であれば二軸押出機のみで、混練とフィラメント作製を行えるようにする。
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