2016 Fiscal Year Research-status Report
パルスジェットメスと超音波硬度計測器を用いたインプラント周囲炎治療システムの開発
Project/Area Number |
16K15810
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
飯久保 正弘 東北大学, 歯学研究科, 講師 (80302157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨永 悌二 東北大学, 医学系研究科, 教授 (00217548)
笹野 高嗣 東北大学, 歯学研究科, 教授 (10125560)
小山 重人 東北大学, 大学病院, 准教授 (10225089)
中川 敦寛 東北大学, 医学系研究科, 講師 (10447162)
羽鳥 弘毅 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (40372320)
高橋 哲 東北大学, 歯学研究科, 教授 (60226850)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | インプラント周囲炎 / 超音波 / パルスジェットメス |
Outline of Annual Research Achievements |
インプラント周囲の健全な粘膜組織やオッセオインテグレーションは温存し、不良肉芽や付着物のみを選択的に除去する、新たなインプラント周囲炎システムを開発することが目的である。このシステムに用いる装置は、①リアルタイムに組織の硬度を測定し、②強力なパルスジェット水流により任意の硬さの組織のみを選択的に粉砕・切除するもので、我々が開発を行っている①超音波硬度測定器と②パルスジェットメスをシステム化した新たな口腔用デバイスである。現在、非侵襲的かつリアルタイムに硬組織の硬さを測定できる装置は他の領域においても皆無である。そこで我々は、超音波を用いることにより非侵襲的かつリアルタイムに様々な組織の硬度測定が可能な硬度測定器の開発をおこなっている。この装置が、骨や歯の様な非常に硬い組織の硬度を高い精度で測定できることが、本システム完成には必要である。 そこで今年度我々は、様々なう蝕に罹患した歯を用いて、象牙質のヌープ硬さ、歯科用CT画像、超音波測定器による硬度を測定し、比較検討を行った。その結果、う蝕象牙質部分と健全象牙質部分の超音波硬度測定器による計測値は、有意に健全象牙質部分が高い値を示していた。さらに、ヌープ硬さとの相関は、歯科用CT画像のピクセル値に比較して超音波硬度測定器が高い値をしめしていた。 今年度の実験により、我々の開発した超音波硬度測定器は、象牙質という非常に硬い組織の微細な硬さの違いを計測することが可能であることがあきらかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々の開発している超音波硬度測定器が、象牙質などの硬組織の硬さの変化を微細に判断できることが明らかとなり、今後につながる結果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の結果をもとに、口腔内で使用可能な超音波硬度測定器の開発をすすめる。さらに、パルプジェットメスによる、インプラント周囲の汚れの除去効果についても検討する。 それらの結果をもとに、①超音波硬度測定器と②パルスジェットメスをシステム化した新たな口腔用デバイスを完成させる。
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Causes of Carryover |
共同研究者の一人が、松本歯科大学に転勤になり、共同で行うべき実験が滞り、使用するお金が余った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
すでに、転勤になった共同研究者との実験継続の方法や、実験に協力する者は決まっている。そのため、平成28年度分の予算を今年度に使用することとなる。
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