2018 Fiscal Year Research-status Report
パルスジェットメスと超音波硬度計測器を用いたインプラント周囲炎治療システムの開発
Project/Area Number |
16K15810
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
飯久保 正弘 東北大学, 歯学研究科, 講師 (80302157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨永 悌二 東北大学, 医学系研究科, 教授 (00217548)
笹野 高嗣 東北大学, 歯学研究科, 名誉教授 (10125560)
小山 重人 東北大学, 大学病院, 准教授 (10225089)
中川 敦寛 東北大学, 大学病院, 特任准教授 (10447162)
羽鳥 弘毅 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (40372320)
高橋 哲 東北大学, 歯学研究科, 教授 (60226850)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | インプラント周囲炎 / 超音波 / パルスジェット |
Outline of Annual Research Achievements |
インプラント周囲の健全な粘膜組織やオッセオインテグレーションは温存し、不良肉芽や付着物のみを選択的に除去する、新たなインプラント周囲炎システムを開発することが目的である。このシステムに用いる装置は ①リアルタイムに組織の硬度を測定し、②強力なパルスジェット水流により任意の硬さの組織のみを選択的に粉砕・切除するもので、我々が開発を行っている①超音波硬度測定器と②パルスジェットメスをシステム化した新たな口腔用デバイスである。既に我々は、パルスジェットメスの出力を変えることにより、薄い被膜で覆われた神経・血管を温存したままに、より軟らかい腫瘍を粉砕・切除可能であることを確認している。しかしながら、歯石の様な硬い付着物の粉砕に関しては、これまで報告がない。 そこで今年度は、インプラント体に対して人工歯石を付着させ、パルスジェットメスによる歯石除去に関する実験を行った、従来のパルスジェットメスの最大出力である150ボルトを用いたところ、インプラント体に付着した人工歯石はわずかに除去できる程度であった。そのため、250ボルトまで出力を上げることが可能なパルスジェットメスを試作し、パルス出力と人工歯石の除去効果との関係について研究を行った。電圧をあげることによりより効率的に人工歯石の除去が可能となった。本研究結果より、パルスジェットの電圧を上げることは、インプラントに付着した歯石の除去の効率向上につながることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
パルスジェットメスの出力を変えることにより、インプラントに付着した歯石が除去できることが明らかとなり、今後につながる結果が得られた。しかしながら、超音波硬度測定器に関する研究が遅れており、両者を連動させたシステム開発まで至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
インプラント周囲炎により抜去したインプラント体に対し、パルスジェットをあてることにより、インプラント体付着物の除去効果を検討する。また、チタンプレートやインプラント体に様々な出力のパルスジェットを噴射し表面形状を調べることで、歯石だけを除去し、インプラント体に傷をつけないジェット出力を検討する。 さらに、口腔内で使用可能な超音波硬度測定器の開発をすすめる。 これらの結果をもとに、①超音波硬度測定器と②パルスジェットメスをシステム化した新たなインプラント周囲炎用治療デバイスを完成させ、臨床応用を目指す。
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Causes of Carryover |
超音波顕微鏡の使用を最も熟知している研究分担者の羽鳥が我々の大学から他大学へ転勤となり、異動先で研究を続けるため、研究環境を整えるための時間が必要であった。ジェットメスの改良に携わっている研究分担者の笹野が当初予定より1年早く非常勤となったことにより、少ない人数で同様の研究を継続するための環境整備のための時間が必要であった。その遅れを取り戻すための研究環境が整ったため、今年度の予算を次年度使用する。
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