2016 Fiscal Year Research-status Report
ヌードラット末梢神経損傷に対するヒト歯髄幹細胞の神経再生効果
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16K15817
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
武川 寛樹 筑波大学, 医学医療系, 教授 (80173558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 博 日本歯科大学, 生命歯学部, 客員教授 (30089784)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 歯髄幹細胞 / 神経再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
再生医療は近年飛躍的な進歩を遂げている。しかしiPS 細胞の安全性は依然として困難を伴う可能性がある。また、ES細胞は受精卵を利用することから倫理性の問題がある。我々は、安全性や倫理性の面より歯髄幹細胞に着目してきた。体性幹細胞の代表である骨髄幹細胞は、正常細胞であり遺伝子の異常はなく、iPS胞に比べて安全性に優れるが、増殖能・分化能などの機能性はまだ十分とはいえない。一方、歯髄幹細胞は間葉系幹細胞であると同時に神経堤由来の外胚葉系幹細胞の性質を有し、比較的多分化能を有することが示されている。歯髄幹細胞は骨髄幹細胞の 3~4 倍の増殖能を有し、分化能も優れる。我々は骨髄幹細胞と比較し、歯髄幹細胞が優位に骨分化能が高く、骨形成能も優れていることを証明している。本研究は歯髄幹細胞を用いた神経系細胞の誘導・機能評価を目的としている。ヌードラット坐骨神経損傷モデルを作製し下肢運動機能回復を経時的に評価しした後、病理組織学標本を作製し、再生軸索数などの神経再生効果を病理学的にも評価する。また再生神経がヒト由来であるかについて免疫組織学的に評価する。 本年度は歯髄幹細胞の神経系細胞への分化・誘導・評価を行った。日本歯科大学にて、インフォームド・コンセントを得た患者よりヒト歯根根尖未智歯を採取し、智歯内部より歯髄組織を採取した。そこから分離・増殖させた歯髄幹細胞の神経分化能をin vitroで確認した。歯髄幹細胞には優れた神経分化能があることを示し、それらから神経シート様構造の作製を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
歯髄幹細胞には優れた神経分化能があることは確認されたが、それらから神経シート様構造を作製する手技の確立がまだ不十分であるため、動物実験に応用できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
ヌードラット坐骨神経損傷モデルを3群に分けて作製する。すなわち、神経切離群・人工神経単独再建群・人工神経+歯髄幹細胞より分化・増殖させて作製した神経シート再建群である。各群の下肢運動機能回復を経時的に評価していき、約24週後に病理組織学標本を作製し、再生軸索数などの神経再生効果を病理学的に評価する。また再生神経がヒト由来であるかについて免疫組織学的に評価する予定である。
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Causes of Carryover |
人工神経に歯髄幹細胞の神経シートを巻きつける技術の確立が難しく、実際に動物実験に使用する分の人工神経の購入を次年度に予定することとしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
歯髄幹細胞の神経シートを巻きつける作業については、あとは確立を上げるだけである。当初の予定通り、人工神経を必要分購入し、動物実験を行う予定である。
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