2016 Fiscal Year Research-status Report
全エクソンシーケンス(EXOME)による過剰歯原因遺伝子変異の同定
Project/Area Number |
16K15843
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
山口 徹太郎 昭和大学, 歯学部, 准教授 (40384193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 正皓 昭和大学, 歯学部, 助教 (10736713)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 過剰歯 / 全エクソンシーケンス / 遺伝子 / ヒト |
Outline of Annual Research Achievements |
過剰歯は、顎顔面領域に見られる頻度の高い疾患の一つである。家族性を認める報告があるとともに、鎖骨頭蓋異骨症など好発する遺伝性疾患が存在することから遺伝的関与は間違いないものの、その原因遺伝子は明らかになっていない。一方、近年“Exome sequencing(全エクソンシーケンス)”により、家族性稀少疾患の原因遺伝子同定の成功例が報告されている。“Exome”とはヒトゲノムにおけるすべてのエクソン領域を示し、その配列に含まれる変異が疾患原因の約85%を説明すると推定されている。本申請課題の目的は次世代シーケンサーによる全エクソンシーケンスにより過剰歯、特に上顎正中埋伏過剰歯の家族性を呈する申請者所属機関で見出された4家系から候補遺伝子を抽出するのに加え、別の約48罹患者からその原因遺伝子変異を同定する。研究方法は ①DNAの調整 ②エクソンキャプチャー ③シーケンス ④シーケンスデータの解析 ⑤フィルタリング の過程を経た。
最終年度では ①候補遺伝子の抽出から、平成28年度に解析した家系症例以外の約48罹患者について候補遺伝子のリシーケンスを行う。すべてのエクソンとプロモーター領域(1kb)をPCR増幅し、次世代シーケンサー(GA II)でリシーケンシングを行う。 ②各々の症例における変異と臨床的多様性について考察する。 ③研究成果の総括:本研究成果を学会、論文へ報告する。学会報告は歯科分野のみならず人類遺伝学分野においても報告する。購読者数の多い歯科商業誌へも総説を投稿することを予定する他、新聞や雑誌といったメディアを通じて成果を公表し、学術的な波及に努める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本申請課題は既に関連倫理委員会の承認を得ている。対象者は日本人成人から収集する。検体収集も完了している。複数の罹患者を含む4家系について検体からのDNA抽出 → エクソンキャプチャー(Sure Select Huamn All Exon Kit)→ シーケンス(Genome Analyzer IIx)→ シーケンスデータ解析(bwaおよびsamtools)→ 変異リストの抽出 → 変異リストのフィルタリング(条件 ①高LOD領域 ②変異アリルの出現頻度(0.4~0.6)③新規かつアミノ酸置換)→ 候補遺伝子変異を抽出した。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに別の約48罹患者について疾患遺伝子のリシーケンスを実施し、原因遺伝子を同定する。このような工程を経て、上顎正中埋伏過剰歯の原因遺伝子変異を同定する。
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Causes of Carryover |
年度末近くに使用した為、H28年度の支払処理期限内に間に合わず次年度の支払となってしまった為。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
既に納品も終わっており、伝票も提出してあるので次年度(H29年度)の支払で処理予定。
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