2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of oral care application using rice-derived peptide material and peptide medicine for periodontal disease
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16K15845
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
多部田 康一 新潟大学, 医歯学系, 教授 (20401763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 正之 新潟大学, 自然科学系, 教授 (00163634)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 抗炎症作用 / ペプチド / 歯周炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、歯周病に対抗するための新たな付加価値型口腔ケアアプリケーションの開発を目指して、コメ由来の機能ペプチドを検索することを目的としている。これまでに、コメのα-アミラーゼの部分配列であるAmyΙ-1-18ペプチドが、歯周病モデルマウスにおいて顎骨吸収抑制作用を示すことを明らかとした。このAmyΙ-1-18ペプチドの抗炎症作用メカニズムについて検討を行った。マクロファージにおいて、LPS刺激によって誘導される炎症性サイトカイン産生をAmyΙ-1-18ペプチドが抑制することが示された。このLPSに対する作用について、共焦点顕微鏡により観察したところ、LPS刺激処理によって誘導されるマクロファージ表面へのLPSの結合が、AmyΙ-1-18ペプチドによる前処理によって阻害されることが示された。すなわち、AmyΙ-1-18ペプチドは、LPSに直接結合することで、LPSが細胞表面のTLRに作用するのを阻害していることが示唆された。加えて、AmyΙ-1-18ペプチドの第二の抗炎症作用メカニズムとして、IL-1bによって誘導されるサイトカイン産生を抑制することも明らかとなった。すなわち、マクロファージをIL-1bリコンビナントタンパクによって刺激すると産生される炎症性サイトカインであるIL-6が、AmyΙ-1-18ペプチドによって阻害されることが明らかとなった。 以上より、コメ由来のAmyΙ-1-18ペプチドは、LPSおよびIL-1bによって誘導される炎症性サイトカイン産生を抑制することによって抗炎症作用を示し、それにより歯周炎の進行を抑制することが明らかとなった。
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