2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K15854
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
江國 大輔 岡山大学, 大学病院, 講師 (70346443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 学 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (40157904)
友藤 孝明 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (80335629)
東 哲司 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (80432649)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ラット / 接着因子 / 歯周組織 / 4-META/MMA-TBBレジン |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は分子生物学を生体材料工学の領域へ応用した試みである。生体材料(バイオマテリアル)とは、生体に直接接触する、生きている細胞に接触する材料のことをいう。その代表例の一つが接着材であり、接着剤には生体硬組織同士、生体軟組織同士を接着するものが存在し、実際に商品として医療現場で応用されている。歯科材料に応用されている4-(2-methacryloxyethyl) trimellitic anhydride/methyl methacrylate -tributylborane(4-META/MMA-TBB)レジンは接着剤であり、生体硬組織同士を固定する際に使用される。しかし、生体硬組織と生体軟組織とを接着する材料は未だ存在しない。一方、分子生物学において、細胞を接着させる多くの接着分子や、それを誘導する因子が発見されている。しかし、これらの因子を接着剤に配合して、その効果を検討した報告は知られていない。 本研究では、4-META/MMA-TBBレジンに細胞接着を誘導するタンパク質を配合して、歯質(硬組織)と歯を支える歯周組織(軟組織)の両方に接着して封鎖性が保てる新たな接着剤を開発することが目的である。 平成28年度では、複数のタンパク質を配合した接着剤の物性を、既存の接着剤と比較しながら調べた。既存接着剤(4-META/MMA-TBBレジン)と成長因子であるEpidermal grwoth facor (EGF)を配合した接着剤(4-META/MMA-TBBレジン)の物性を比較検討した。 その結果、接着強度は2群とも類似しており、既存接着剤にタンパク質を配合しても物性の劣化は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、物性試験を終了できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29と30年度では、動物モデル(ラット)を用いて、タンパク質を配合した接着剤を塗布して、その接着効果を検討する。
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Causes of Carryover |
初年度、予定した額よりも少なく実験ができたため。次年度の研究に充当するため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度に予定している動物実験の費用に充当する。
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