2016 Fiscal Year Research-status Report
次世代型ケアを創出できる臨床看護師のリサーチマインドを育む教育プログラムの開発
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16K15861
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 冨美子 東北大学, 医学系研究科, 教授 (40297388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 良子 東北大学, 医学系研究科, 教授 (10275498)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 看護教育学 / リサーチマインド / 教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
東北地方A大学病院の看護師及び助産師1,139名を対象に,看護師が臨床研究を行うために必要な教育や環境ニーズに関する自記式質問紙調査を実施した。本調査結果は「次世代型ケアを創出できる臨床看護師のリサーチマインドを育む教育プログラムの開発」の基礎資料とする。 対象は臨床経験年数5年以上が64.7%,約半数が大学卒であった。看護基礎教育課程の看護研究履修者81.7%,修士・博士課程修了者・在学者が1割で,学会誌などに公表されている研究成果を看護に「非常に活用している」が1.0%,「ときどき活用している」が26.2%であった。現在看護研究を実施している者は73.7%で,研究実施のきっかけは「施設内の教育プログラムに組まれていた」65.0%が最も多く,「自分の興味・関心から実施した」は24.4%であった。継続・発展させて取り組んでいる研究テーマがあるが12.0%で,継続・発展しない理由は「発展させる研究課題が見いだせなかった」29.7%,「病棟の異動などで専門分野を変更した」24.7%,「研究方法を発展させる方法が分からなかった」18.4%の順に多かった。リサーチマインドを育むために「日々の看護を振り返る機会をもつ」「問題意識をもって看護に取り組む」「看護研究の発表を聞く機会をもつ」が必要であり,「学会に参加する」「研究会や研修会する」「カンファレンスに参加する」を実施してきたと回答した。看護研究力を高めるために組織に求める支援は「院外研修・学会等に参加しやすい環境整備(勤務調整・参加費用の補助など)」57.9%,「研究できる環境整備(勤務内の研究活動など)51.5%,「看護研究に関する相談・指導の窓口の明確化」36.8%などであった。研究論文に触れる機会,論文を抄読する機会が少ない可能性に対して抄読を推奨する支援や研究を継続・発展させていく方法に関する教育の必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
28年度の研究実施計画は,研究課題1「臨床看護研究の実態と研究に取り組む上での障害や困難を明らかにする」と,研究課題2「研究課題1.のテータをもとに教育プログラムを作成する」の2課題であった。現在,研究課題1をもとに教育プログラム作成を検討中であり,29年度計画の教育プログラム運用が可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
大学と大学病院看護部の連携によって調査を実施し,次年度以降もその体制で教育ブログラム作成と運用に関する研究を継続する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は,当初の予算計画「人件費・謝金」が半額の支出で実施したためである。それはデータの解析・集計を研究者が実施し,謝金による支出を抑えたためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査2年目の29年度は,初年度の研究成果を公表する予定であり,その旅費と論文作成費にあてる。既に2017年8月17日~8月18日開催の日本看護学教育学会第27回学術集会(沖縄県那覇市)での発表が確定している。
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