2016 Fiscal Year Research-status Report
ポストゲノム時代の遺伝看護コンピテンシー尺度開発と信頼性・妥当性の検討
Project/Area Number |
16K15867
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
有森 直子 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90218975)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 遺伝 / 看護 / コンピテンシー / 尺度開発 / ポストゲノム / グローバルスタンダード |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、包括的遺伝看護コンピテンシー尺度の開発と信頼性・妥当性を明らかにする。そのためにまず、質問紙の作成(研究1)を行い、次に項目分析を通して信頼性と妥当性の検証(研究2)を行う。研究1の質問項目の作成は申請者らが文献レビューにより作成した「遺伝看護コンピテンシーモデル」を基盤におき、項目を作成する。作成された質問項目は、国内外の遺伝医療専門職や患者団体を対象にしてヒヤリングを行い内容の妥当性を検討する。研究2では、研究1で作成された質問紙を用い看護職を対象とした調査を実施する。その結果を因子分析により構成概念妥当性を、信頼性はCronbackαを通して検証する。以上の検証を通して、「包括的遺伝看護コンピテンシーモデル」を検証し尺度を完成(研究3)させる。 平成28年度は、研究1<質問項目の作成>の検討を行った。研究者らは文献レビューから遺伝看護の6つのコンピテンシーが明らかにしている(<Ⅰ 倫理的態度をもつ><Ⅱ クライエントを包括的に理解する><Ⅲ 識別同定する><Ⅳ 生涯にわたって生活の支援をする><Ⅴ 意思決定の支援をする><Ⅵ 協働する>)。各コンピテンシーのカテゴリー、サブカテゴリー、小ラベルについての詳細は、遺伝看護国際学会にてポスターで発表を行い本モデルの新規性、妥当性についての高い評価を得た。また、国際的な遺伝看護に関するカンファランス会議に出席し、6つのコンピテンシーについて、海外研究者からのヒヤリングと行うとともにコンピテンシーを臨床で可能にするストラテジーについての意見交換を行った。その結果、国や地域の状況を超えその国でのコンピテンシーを具現化するために、何が障壁になっているのか。どの組織の誰に働きかけるのか等のマネージメントに関する視点を組み入れるアイディアを得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究担当者の出産のため、当初の予定よりヒヤリング、グループディスカッションの開催の時期が遅れている。しかし、昨年度は、国際学会でのポスター発表、遺伝看護のコンピテンシーに関わるキイパーソンとの合宿形式の討論に参加する機会を得ることが出来たので、その成果を本研究にも反映したい。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、研究1の担当者も復帰できるため、早急に質問項目の洗練を進め、データ収集にむけ、9月までに研究倫理委員会を通し、データ収集を開始する。最終年度には、予定通り、モデルの検証、尺度の完成を目指す。
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Causes of Carryover |
研究メンバー(寺嶋)の出産のため、初年度の研究計画が遅延したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2年目にあたる次年度に、昨年の残金を使用する計画である。
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