2017 Fiscal Year Research-status Report
インシデント発生に関連する看護師のコンディション・アセスメントツールの開発
Project/Area Number |
16K15869
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
瀬戸 奈津子 関西医科大学, 医学部, 教授 (60512069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 真有美 関西医科大学, 医学部, 助教 (90599995)
藤本 悠 関西医科大学, 医学部, 研究員 (70803310)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | インシデント / コンディション / 個人要因 / 医療安全 / 感情・気分状態 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、看護師のコンディションがインシデントの発生に大きく関連するという前提のもと、看護師の疲労、睡眠、気分に関して一定期間連続的に測定をすることで、看護師の勤務に対するコンディションの実状を明らかにする。 本年度は、研究成果の一部として、第37回医療情報学連合大会で、「外科病棟で働く看護師の連続的気分状態とその変化」の口演発表を行った。また「インシデント発生要因と関連するコンディションに関する研究」の研究実施計画書一式を倫理審査委員会に申請し承認されている。その概要は、急性期病院における一般病棟(全14病棟)、集中治療部門(高度救命救急センター、GICU、CCU)、外来部門に所属する日勤もしくは夜勤業務に従事する研究者による口頭と文書による研究についての説明を受け同意の得られた看護師約630名を対象に調査を行うものである。 実施方法として、調査票をファイルに綴り、1名に1つのファイルと1ヶ月分の調査用紙を渡す。ファイルと調査票はIDを付与し他の対象者と用紙が混合しないよう配慮する。調査票に記載する内容は、「日付」、「日勤もしくは夜勤」、「勤務の始まりの気分・疲労・睡眠」と「勤務の終わりの気分・疲労・睡眠」、「インシデント体験の有無」である。各勤務の開始時と終了時に記載を行い、1回の勤務で1枚の調査票を埋めるように記載する。また、性別・年齢・経験年数・病棟経験年数について初回に調査票による調査を行う。対応表を準備し、記載したデータと勤務状況の一致があるかどうかを確認する。 各部門の特性については、調査期間の病棟の患者重症度(看護必要度)、外来部門は外来患者数等を用いる。コンディションの実状がインシデント発生とどのように関連しているかを明らかにすることができれば、コンディション・アセスメントツールを作成することが可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の主たる調査の研究実施計画書が対象施設の倫理審査委員会の承認を受け、対象施設管理者への説明も終了しており、今年度早々に調査が行える状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実施計画書の通り、4月に新人看護師を迎えた対象病棟が落ち着いた頃の7月及び半年後の評価ため、次年度7月に調査を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 平成29年度は、1名の研究分担者が遠方に引っ越したものの関西医科大学研究員としての立場を鑑み、関西医科大学での会議、大阪での成果発表のための交通宿泊費は研究代表者の私費負担とし予算を抑えることができた。また平成30年4月にワシントンDCで開催されるNursing Education Conference2018での発表演題が採択されており、次年度以降に研究成果発表上、交通旅費・会議費等の経費が必要になると見込んだ。 (使用計画) 平成30年7月と平成31年1月の2回「日付」「日勤もしくは夜勤」「勤務の始まりの気分・疲労・睡眠」と「勤務の終わりの気分・疲労・睡眠」「インシデント体験の有無」、性別・年齢・経験年数・病棟経験年数について初回に調査票による調査を行う。各部門の特性について調査期間の病棟の患者重症度(看護必要度)、外来部門は外来患者数等を用いる。「気分・疲労・睡眠」ごとの得点について個別・病棟における特性ごとの相対比較、勤務終始の前後比較、「インシデントの体験の有無」との関連について等、収集したデータについて量的分析を行う。そして各部門の看護必要度や日勤・夜勤の勤務バランスといった病棟ごとの特徴とインシデント発生の関連、主観的気分状態への影響について明らかにする。さらにインシデント発生要因と関連するコンディションの要因を探索的に分析する。
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