2017 Fiscal Year Research-status Report
アセスメント-看護技術統合型シミュレーションを導入した教育方法の開発
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16K15873
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Research Institution | Yamagata Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
沼澤 さとみ 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (80299792)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 看護技術 / アセスメント / シミュレーション / 看護教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、看護技術の初期学習段階にある看護学生の学習意欲を喚起して批判的思考力を高め、看護実践能力の習得と向上のために、実践場面を想起・再現した「アセスメント-看護技術統合型シミュレーション」を導入した看護技術に関する新たな教育方法を開発することを目的としている。 2016年度は、従来型の学習方略をとっている授業のテキストや資料から、学習方略の問題点を抽出し、データ分析を量的および質的に統合させる方法について検討した。 2017年度は、「アセスメント-看護技術統合型シミュレーション」で使用する事例の検討を行った。事例は、バイタルサインのほかに身体機能のアセスメントが必要であり、複数の看護技術が可能な設定とした。また、授業方法として、学生の思考力を育成するためにシミュレーション後の学生間のディスカッションと発表を取り入れることとし、学生がアセスメントと看護技術の結果を記述する記録様式の検討等を行った。その後、1年生にはシミュレーション実施前の調査、2年生にはヘルスアセスメント論の授業を活用してシミュレーション実施前と実施後の調査を行った。調査内容は、批判的思考力、自己効力感、達成動機、社会人基礎力等で、シミュレーションは、呼吸器疾患のある患者の事例で呼吸や循環のアセスメント、清潔や安楽への援助が想定される事例によって行い、一部の対象学生のセッションはVTR映像をデータとして収集した。また、実施後は、SOAP形式による記録様式とシミュレーションを行ったグループセッションの結果を記載した記録をデータとして収集した。シミュレーション実施前の批判的思考力、社会人基礎力等について統計的分析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2017年度に調査対象とした1年生については、実施前の調査のみ行った。カリキュラムの進行にあわせ「アセスメント-看護技術統合型シミュレーション」による学習は、2018年度の実習前に行うため、シミュレーション実施後の調査はまだ行うことができていない。 また、2017年度に行った調査は、後期の時間割日程の授業に連動して実施したため、調査で収集したデータの入力作業等に年度末近くまでの時間を要し、データ分析の着手にとどまった。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度に実施する「アセスメント-看護技術統合型シミュレーション」について、前年度のシミュレーションの実施状況に基づいて、事例の見直しと追加の事例について検討する。2年生は基礎看護学実習前の「アセスメント-看護技術統合型シミュレーション」の実施となるため、実習に向けた学習の動機付けとなるよう複数の事例を検討する。シミュレーション実施後の振り返りは学生が自主的に取り組むことができるようにVTRの活用なども含めて検討する。収集したデータについては、量的に分析した結果は今年度の学会で発表し、学習記録等のデータは質的分析を進める予定である。
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Causes of Carryover |
「アセスメント-看護技術統合型シミュレーション」の実施に必要な物品等の支出は予定通りであったが、データ分析が遅れたため、今年度購入予定だった分析ソフトの購入や学会参加を見送った。 次年度も「アセスメント-看護技術統合型シミュレーション」を予定しており、それに必要な物品等の購入を予定している。分析結果が出たものについては、成果発表のための学会参加を予定している。
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