2016 Fiscal Year Research-status Report
寝たきり避難用具開発に向けた脊椎・関節角度測定による“寝たきり姿勢”のモデル化
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16K15874
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
坂本 祐子 福島県立医科大学, 看護学部, 教授 (20333982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 史子 福島県立医科大学, 看護学部, 助教 (40769486)
大崎 瑞恵 福島県立医科大学, 看護学部, 講師 (70525948)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 寝たきり / 関節拘縮 / 災害看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は以下の2課題について検討・調査を実施した. ①既存避難用具の療養機能 複数の製品のデモンストレーションおよび施設現有備品の訪問検討を行った結果,確認できた種類は約10種類に及んだが移送機能は有するが療養(数時間の臥床)が可能と判断できる製品はなかった. ②介護保険施設における防災対策と”寝たきり避難”対象入所者(以下寝たきり入所者)の実態調査を実施した.対象施設は,介護保険3施設のうち最も入所者の介護度が高い特別養護老人ホーム(以下特養)を選定した.本研究における”寝たきり入所者”を「障害高齢者の日常生活自立度判定基準ランクC且つ移動手段がティルト型車椅子あるいはストレッチャー該当者」とし,調査項目は施設構造等の施設概要,防災ママニュアルの整備等の防災対策,”寝たきり入所者”の医療処置・寝たきり姿勢等とした.151施設に依頼し62施設(回収率41.1%)から回答があった.施設構造は平屋建て34施設(54.8%),9施設が建物内にケアハウス等の併設施設を有し,総入所者数は5027名であった.防災対策は防災マニュアル有98.4%,避難訓練は昼間100.0%・夜間82.2%が実施していた.”寝たきり入所者”は779名(15.5%),女性82.4%,医療処置は経管栄養278名(35.7%),吸引179名(23.0%),仙骨部褥瘡53名(6.8%)であった.寝たきりの姿勢は,股関節拘縮有49.9%,膝関節拘縮65.2%,円背23.0%,関節拘縮なし20.3%であった.現在,類型化を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
組織的には福島県福祉施設協議会と連携がとれており,施設単位では複数の施設と質問紙作成や次年度拘縮角度測定に際しアドバイスや協力の内諾を受けており,順調に進行している.また,関節拘縮・関節可動域の測定に際し,関節の動きや筋骨格系の専門知識と技術を有する研究メンバーが必要と判断し,理学療法士1名を次年度研究メンバーに増員することが決定している.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は理学療法士1名を加えた4名体制で研究に着手する. 前年度から引き続き質問紙調査結果から四肢・脊椎の拘縮・変形を3~5に類型化し”寝たきり姿勢”モデルを作成する.モデル化作業を行いながら,特養入所者を20名(1モデル4~5名程度)程度を対象とした関節拘縮・変形角度の測定実施のための詳細な実施計画を策定し倫理審査申請を行い調査を実施する.質問紙と実測値から最終的な”寝たきり姿勢”のモデル化を行う.
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Causes of Carryover |
既存の避難用具を購入し機能などの検討を計画していが,販売企業側からのデモンストレーションが可能となり購入せずに検討することが可能となったため,経費に繰越が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度調査旅費,関節可動域の測定用具の購入,福島全県の特養に対して報告書を配布する予定である.
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