2016 Fiscal Year Research-status Report
The fundamental research of alternative care for menopausal symptoms.
Project/Area Number |
16K15878
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
松本 裕 横浜市立大学, 医学部, 講師 (80609230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤瀬 智子 横浜市立大学, 医学部, 教授 (50276630)
伊吹 愛 横浜市立大学, 医学部, 助教 (60738805)
堀川 和政 横浜市立大学, 医学研究科, 特別契約准教授 (80386664)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 更年期障害 / クラリセージオイル / 経皮吸収 |
Outline of Annual Research Achievements |
8割もの更年期女性が更年期症状を訴えるが、ホルモン補充療法には乳がんのリスク上昇等の副作用があるために禁忌となる人や治療を望まない人も少なくない。クラリセージオイルに含有されているスクラレオールが更年期症状に有効であると言われているが、明確なエビデンスはない。 本研究では、①スクラレオールが経皮吸収されるのかどうか、②スクラレオールがエストロゲン様作用を示すのかどうか、の2点を明らかにすることで、今後、更年期障害に対してクラリセージオイルを用いた安全な看護ケアの開発につなげるための科学的知見を得ることを目的としている。 本研究の学術的特色や予想される結果や意義として、クラリセージオイルを用いたケアが更年期障害に対する安全な看護ケアとなるエビデンスを提供し、更年期障害に悩む多くの女性(更年期女性の 8 割)の生活の質向上に資する可能性が挙げられる。 研究実績の概要として、28年度は、試行錯誤の結果、スクラレオールを皮膚に塗布した後にマウスの血清を分析するためのGC-MS測定系を確立することができた。夾雑物の多い試料多数を安定的かつ再現性よく分析できる条件を整え、スクラレオールのピークから血清試料および肝臓中の濃度を定量分析できる感度(S/N≧10)で検出することに成功した。現在、得られたサンプルの血中濃度の推定を計算することと、遺伝子発現の予備実験のデータ解析を行っている段階である。また、29年度に予定している肝臓での遺伝子発現を測定するための予備実験を実施し、測定条件を決定した。引き続き、スクラレオール投与後の肝臓サンプルを用いて遺伝子発現の変動について解析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画どおり、28年度中にスクラレオールが血液中に移行することを明らかにすることができた。また、肝臓中のスクラレオール濃度も測定し、肝細胞内にスクラレオールが取り込まれて濃縮されることを明らかにした。また、29年度に予定している遺伝子発現の解析も予備実験が成功し、29年度に実施すれば必要なデータが得られる見通しがついたため。
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Strategy for Future Research Activity |
共同研究者の実験結果(未公表・特許出願中)より、「スクラレオール投与により、エストロゲン応答遺伝子の発現は上昇しないが脂質代謝関連遺伝子が動く」ことが明らかとなったため、29年度は遺伝子発現を検討する遺伝子を修正しながら進める予定である。
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Causes of Carryover |
旅費の使用が少なかった理由として、経皮吸収のデータが出たのが11月以降になり、積極的な学会発表の機会を逸したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度に当初計画よりも消耗品に費用を要したことの補填や、29年度に予定している成果発表等で使用する。また、データ採取に必要な機器の購入に充てる可能性もある。
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Research Products
(2 results)