2017 Fiscal Year Annual Research Report
The fundamental research of alternative care for menopausal symptoms.
Project/Area Number |
16K15878
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
松本 裕 東海大学, 健康科学部, 講師 (80609230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤瀬 智子 横浜市立大学, 医学部, 教授 (50276630)
伊吹 愛 横浜市立大学, 医学部, 助教 (60738805)
堀川 和政 横浜市立大学, 医学研究科, 特別契約准教授 (80386664) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | スクラレオール / クラリセージオイル / 経皮吸収 / 更年期症状 / アロマ |
Outline of Annual Research Achievements |
更年期症状の緩和にクラリセージオイルが経験的に使用されており、その特性成分として、分子構造がエストロゲンと似ているスクラレオールが注目されている。エストロゲンが脂質代謝に深く関与していることから、本研究では、①スクラレオールが経皮吸収されるか、②薬理学的濃度のスクラレオールが脂質代謝に影響を及ぼすか、についてマウスを用いて検討した。 スクラレオール3mg/kgを腹腔内に、1日3回(16:00、16:30、17:00)、5日間投与した結果、①スクラレオールは体重増加を緩やかにし、肝臓の総脂質量の低下を促すこと、②スクラレオールが脂肪分解に働くhslやatglの遺伝子発現を促すこと、③スクラレオールによって、血中コレステロール濃度の低下と肝臓コレステロール量の増加が認められること、を明らかにした。 また、スクラレオールの背部への単回塗布30分後のサンプルを用いて、①スクラレオールが経皮吸収されること、②さらに肝臓に8倍程度高濃度に集積されること、を明らかにした。皮膚にはバリア機能があることから、経皮吸収では腹腔内投与よりもスクラレオールの血中濃度が低いと考えられる。今後、経皮吸収された数ppmレベルのスクラレオールによって、肝臓での脂質代謝関連遺伝子の発現の変化に腹腔内投与と同様のパターンがみられるのか解析を進める予定である。 スクラレオールが経皮吸収されて肝臓に集積することを示した報告はこれまでになく、複数回の投与によって脂質代謝に好影響を及ぼすことを明らかにしたことに本研究の意義がある。本研究により、クラリセージオイルを用いたアロマセラピーでは、特性成分であるスクラレオールが経皮吸収されて脂質代謝に好影響を及ぼす可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)