2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of nursing and medical practice support device which utilized inducement of the synchronization in a biological cycle
Project/Area Number |
16K15881
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
石亀 篤司 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60212867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真嶋 由貴恵 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 教授 (70285360)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 生体リズム / 同期現象 / 同期誘発デバイス / 看護暗黙知 / コミュニケーションロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、対面時にヒトとヒトの間で現れる生体リズムの同期現象とリラックス状態の発現に着目し、それらを人為的に誘発させ、患者と施術者間の心が通い合う看護・医療行為を可能にする看護・医療行為支援デバイスの開発を行ってきた。 熟練技術者がもつ高度な技能やノウハウの次世代(若手技術者)への継承を効率的に行える場の創発に関する有効な手法は発見されていないのが現状である。この問題を解決する糸口として、生体リズムの同期現象に注目した。脳波は一般にヒトの感情や精神状態を表すパラメータとされている。そのような、脳波間の同期現象を誘発する人工的刺激を探索する初段階として、本研究では発話、音楽、映像、振動等の刺激デバイスが脳波に及ぼす影響、ならびに同一刺激を二人の被験者に付与した際での、両者脳波間の同期現象誘発における刺激デバイスの有効性について定量的検討を行っている。今年度は特にコミュニケーションロボットを導入し、同期現象誘発についての基礎検討を行った。 具体的には、ロボットが発する会話音声、音楽、映像、ジェスチャ行動等の刺激の強さや会話シナリオを変化させて二人一組のペアに与え、被験者から測定された脳波を周波数ごとのパワースペクトルに分解し、平静時と刺激付与中のα波やβ波の含有率の変化を観測した。さらに同じ刺激をペアの被験者に付与した際に両者のα波含有率の推移に同調が発生しているかを、相関係数を用いて評価した。 その結果、さまざま開発した刺激デバイスの中でも、コミュニケーションロボットを利用したデバイスが、その持つ要素の多様性、人をリラックスさせる親和性などの観点から、有望な同期誘発デバイスとなりうる可能性があることが分かった。
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