2016 Fiscal Year Research-status Report
文化に調和した看護ケアを実現するための文化的概念モデルの構築
Project/Area Number |
16K15887
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
寺岡 三左子 順天堂大学, 医療看護学部, 講師 (30449061)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 異文化看護 / 在日外国人 / culture / transculturall nursing / cultural congruent care |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,文化を考慮した個別的な看護ケアの提供を目指し,日本における「異文化を背景にもつ患者への関わり」の概念モデルを創出することである.本研究は,Rodgers(1993)の概念分析とShwartz-Barcott&Kim(1986)の概念開発プロセスの考えに基いている. 今年度は,概念創出までの手順を確認した.また,看護学領域の文献検討を経て,インタビューにて外国人患者が日本での受診行動をとおして実感した異文化体験の様相を明らかにした研究について再分析を行った.その結果,在日外国人は,言葉の壁,受診システムの壁に加え,先入観の壁に遭遇していることが明らかとなった.とりわけ,先入観の壁は,文化的価値観をもつ個としての患者の存在が尊重されないことを意味していた.また,彼らは,自身の文化的背景が注目されないことを実感しており,暗黙の了解を感じとりながら日本の病院環境への適応行動をとっていたことが明らかとなった.本調査により,在日外国人が日本における医療や医療者との関係性において,何を異文化として認識しているかが示された.本調査は,概念創出の主軸となる研究であることから,再分析後,論文にまとめて投稿した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究に必要な看護師を対象とした研究についても終了し,分析中である.今年度はこの調査についても国際学会で発表予定であることから,研究の進捗状況として概ね順調である.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の枠組みである概念創出手順にしたがい,引き続き着手している研究の分析を継続し,論文投稿を目指す.
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Causes of Carryover |
概ね計画通り使用したが、端数として次年度使用額が発生した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
引き続き,計画通り使用する予定である.
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Research Products
(1 results)