2016 Fiscal Year Research-status Report
エコーを用いた大腸内部の定量的評価による便秘時のアセスメント方法とケア基準の開発
Project/Area Number |
16K15894
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
四谷 淳子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (10507370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田邉 将之 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 助教 (00613374)
瀧井 道明 大阪医科大学, 医学部, 教授 (40319538)
原 明子 大阪医科大学, 看護学部, 助教 (70585489) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 便秘 / 超音波画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸の超音波画像から得られた便やガスの特徴から,機械学習を用いて自動的にその性状を推定することを試みた.大腸が映し出された超音波画像を正常便,硬便,軟便,ガスの四つの性状に分け,解析対象となる大腸内部を切り出した.そして機械学習に用いる特徴量として,超音波の減衰と多重反射に着目した.まず,大腸内部の内容物によって減衰傾向が異なると仮定し、深さ方向の輝度値の直線近似を特徴量とした.次に,大腸内部にガスが存在する際に生じる多重反射を検出するために,深さ方向に対して自己相関関数を算出し,メインサイドローブ比を特徴量として用いた.求めた二つの特徴量を訓練データとし,サポートベクタマシンを用いて分類器をモデリングした.さらに,便やガスの性状が未知の画像に対して,設計した分類器がどの程度正しく性状を推定できるかを評価した.学習に用いた画像とは異なる評価用画像を用意し,学習時と同様に二つの特徴量を求めて便やガスの性状を推定した.
【結果】 減衰に関して,硬便画像は他の性状の画像に比べて輝度値が大きく変化した.輝度変化の近似直線の傾きは,他の画像では平均して約0.32であったのに対し,硬便画像では約0.73であり,約2.3倍の値を示した.多重反射に関して,便貯留画像の自己相関関数のメインサイドローブ比は平均で約0.09であったのに対し,ガス画像では約0.71とガス画像特有の多重反射を検出できていることが分かった.また,この二つの特徴量からモデリングした分類器は,約80%の精度で評価用画像を正しく分類した. 【まとめ】 大腸の超音波画像から便やガスを定量的に評価し,機械学習によって自動的に画像の性状を推定可能であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定とおりに進捗しており、大腸内容部物の違いの特徴量を抽出できている。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに対象者数を増やしデータ収集し、精度の高い特徴量が抽出できるようにしていく。また、同時にケア基準を作成する予定である。
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Causes of Carryover |
旅費として海外発表など考慮していたが、本年度は国内のみの発表であったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、成果発表の機会を増やすことと、解析に必要なソフトのバージョンアップに使用する予定である。
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Research Products
(2 results)