2018 Fiscal Year Research-status Report
新人助産師のクリニカルラダー習熟プロセスに関するモデル開発
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16K15897
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
下見 千恵 広島国際大学, 看護学部, 教授 (80300424)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 新人助産師 / 研修 / クリニカルラダー / 新卒 |
Outline of Annual Research Achievements |
助産師の新人教育には「助産実践能力習熟段階(クリニカルラダー)」が公表され,活用されている。クリニカルラダーは助産師の実践能力を育てるための内容が段階的に示されたもので,新人から経験年数に応じた継続性をもったラダーとなっている。 特に新人看護職はそのクリニカルラダーのスタート地点にあり,プログラム進行上の心理的変化や助産実践にかかる発達状態について,調査を進めてきた。職場適応や早期離職防止の観点からも新人助産師の支援のあり方についての考察につなげたい。 これまで蓄積された新人助産師へのインタビュー結果をもとに,アンケートを作成した。入職後1年未満の新人助産師を対象とし,作成したアンケートを用い,調査を実施した。アンケートデータ(39名分)から,新人助産師の感じる困難と克服について分析,整理した。自由記述部分は助産学または母性看護学分野および研究協力者の研究者4名で帰納的分析手法を用い,分析した。困難因子は「新たな業務の開始」,「未熟さに対する自己嫌悪」,「人間関係」,「疲労」であった。「新たな業務の開始」には,業務の独り立ちや夜勤の開始,分娩の直接介助の開始などが含まれ,新しい課題の始まりでもあった。またこのカテゴリーについては,7割以上の者が記述しており,最も多かった。そしてこれらの結果はこれまでのインタビュー結果と大きな差異はなかった。一方,克服因子は「家族の支え」,「先輩との良好なコミュニケーション」,「休暇」など,新たなカテゴリーが抽出された。これらの結果から,次の段階にステップアップする業務の変わり目などに新人助産師への支援的対応を傾注することが有意義ではないかと考察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画では,最終年であったが,初年度の遅れ(体調不良による)および豪雨による被災により遅れている。しかし,アンケートを作成し調査結果が得られた。質問票作成に向けたデータ収集の位置づけでもあり,質問票の作成に活かす予定である。また,調査結果をまとめ学会に成果発表ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の計画であった質問票の作成に向けたアンケート調査を実施することできた。今後,これまでの集積したデータにもとに質問票の作成を行う。プレテストを実施し,妥当性を検証しながら質問の項目精選を行う予定である。大規模調査に向けた質問票の作成を目指す。
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Causes of Carryover |
【理由】研究の実施状況が計画から遅れたために,予定していた分析用ソフトの購入や資料整理(人件費)が執行できなかった。 【使用計画】資料収集のための調査研究旅費,当初の予定であるデータ収集後の資料整理(人件費),分析用ソフトおよび成果発表に執行予定である。研究遂行状況により適宜執行していく。
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