2017 Fiscal Year Research-status Report
グローバル社会における外国人の健康増進:コミュニティの強みを生かす生活習慣病予防
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16K15907
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
長松 康子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (80286707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本城 由美 (佐居由美) 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (10297070)
五十嵐 ゆかり 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (30363849)
平野 裕子 (小原裕子) 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (50294989)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | グローバル社会 / NCDs / 在日外国人 / 女性 / 異文化看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に実施した在日外国人コミュニティの生活習慣病リスクとヘルスプロモーションニーズ調査に基づき、ヘルスプロモーション介入研究を行った。コミュニティの選択については、ヘルスプロモーションニーズがあること、参加者に自主性があること、リーダーがいることなどをかんがみて行った。 在日フィリピン人グループと協働して、コミュニティの強みを生かしたヘルスプロモーションプログラムを開発し、その効果を測定した。在日外国人コミュニティの視点に立ったプログラムを開発するために、プログラム開発からコミュニティの外国人に参加してもらい、運動内容の選択、実施可能なプログラムの頻度、インストラクターの選定、学習ニーズのある学習内容の検討などを行った。その結果、乳がん、子宮がん、子宮頸がん、更年期障害に関する講義、在日外国人講師による2週間毎の運動療法(ZUMBA)と身体計測で構成されるヘルスプロモーションプログラム(3か月)を開発した。 プログラムの評価に当たっては、介入群25名、コントロール群(講義と身体計測のみ)21名を対象とする非ランダム化比較試験を実施した。評価は、体重、腹囲、BMI、血圧、うつ得点自己健康評価及び10年後の健康を持続する自信感について、プログラムの前後、1か月後で比較した。 その結果、介入群の体重は、また、うつ得点も同様に、プログラム前に比べてプログラム後は有意に減少し、その効果は1か月後も持続した。しかしながら、自己健康評価得点と10年後も健康を維持する自信得点については、有意な変化は見られなかった。介入群は、プログラム終了後も自ら運動グループを立ち上げ、自主的に運動を継続している。 コントロール群の調査結果については、現在分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の生活習慣病リスクとヘルスプロモーション介入ニーズ調査に基づき、2年目に介入調査を実施することができたため。ただし、介入研究については、コントロール群の分析と研究成果の発表については、予定していた2年以内に終えることが出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の調査で、我が国の定住型在日外国人中高年女性は生活習慣病があるため、できる限り健康を保つよう健診やがん検診をうけているにもかかわらず、言葉の問題や外国人が利用しやすい医療サービスが少ないことから、十分なヘルスプロモーションに至ることが出来ていない現状が明らかになった。そこで住民とともに在日外国人女性が参加しやすいヘルスプロモーションプログラムを開発したところ、健康増進を促す効果が認められた。しかしながら、これらの調査結果を公表することが出来なかったので、最終年度は成果発表を行う。
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Causes of Carryover |
データ収集が予定より遅れたため、年度内にデータ分析と成果発表を終えることが出来なかった。そこで、次年度にデータ分析を終え、その成果を英語論文で発表する予定である。
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