2017 Fiscal Year Research-status Report
更年期女性の不定愁訴に対する経耳道光照射法の効果の探索
Project/Area Number |
16K15928
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
城賀本 晶子 愛媛大学, 医学系研究科, 講師 (90512145)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 更年期女性 / 不定愁訴 / 肩こり / 経耳道光照射法 / 血流測定 / 鏡映描写 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.具体的内容 平成29年度は更年期女性の不定愁訴のうち、特に多く経験されている肩こりについて、項部や肩部の血流の変化でその程度を客観的に捉えられるか探索を行った。健常な20代女性で肩こりの自覚症状がある者、肩こりの自覚症状がない者を対象とし、机上で一定時間、調査用紙に回答をするといった意図的な疲労負荷状態をつくり出し、負荷前後での血流と自覚症状の変化を明らかにした。その結果、肩こり自覚あり群では、右項部と左肩の血流量及び左項部と左肩の血液量が負荷後に減少していた。肩こり自覚なし群においては、血流量、血液量、血流速度のいずれの値も負荷前後で有意な差は認められなかった。 2.意義及び重要性 平成28年の国民生活基礎調査での有訴者率では、肩こりは女性の自覚ある症状の第1位であり(厚生労働省,2016)、多くの女性が肩こりによる苦痛や不快感を伴いながら生活を送っていることが考えられる。本研究の結果から、肩こりの自覚がある人は、実際に血流が減少することで、肩こりなどの疲労を感じやすい状況にあることが明らかになった。また、肩こりの自覚がないという人は、負荷後に一過性の疲労を感じるが、血流が低下しにくいため回復が早く、生活に影響が生じず、肩こりの自覚がないことが推測される。肩こりの原因は様々だが、その原因の一つとして血液の循環不良があげられており、本研究で用いた血流測定の方法を用い、経耳道光照射法が肩こりや項部痛を改善させる補完代替医療となり得るか、その効果を探索することにつながることには意義があると考える。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究室の移動に伴い、鏡映描写装置を構築しなおす必要があった。また、被験者には経耳道光照射装置を4週間という長期間に渡って使用してもらうため、装置の使用法や管理方法について検討する必要があり、研究実施が遅延してしまっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は20歳から59歳までの健常な女性を対象として、経耳道光照射法を用いて更年期の不定愁訴や行動特性にどのような影響を与えるのか検討していく。経耳道光照射法を使用する前後で対象者の症状を主観的及び客観的に評価する。その際、更年期女性自覚症状測定尺度や疲労測定尺度を用いて、不定愁訴の主観的程度を測定するとともに、血流測定計や鏡映描写法を用いて、その不定愁訴の客観的評価を行っていく。
|
Causes of Carryover |
【理由】 平成29年度も研究計画の見直しや経耳道光照射装置の使用方法の検討を行っており、更年期女性の被験者を集めての研究には至らなかった。経耳道光照射装置の購入費用、被験者への謝金を予算計上していたが、結果として次年度に繰り越すこととなってしまった。 【使用計画】 本年度は研究計画を新たに見直した上で対象者を募り、経耳道光照射の効果を検討していく予定である。経耳道光照射装置の必要台数分の購入、被験者への謝礼、学会参加のための旅費などに予算を使用していきたいと考えている。
|
Research Products
(3 results)