2018 Fiscal Year Research-status Report
更年期女性の不定愁訴に対する経耳道光照射法の効果の探索
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16K15928
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
城賀本 晶子 愛媛大学, 医学系研究科, 講師 (90512145)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 女性 / むくみ / 冷え |
Outline of Annual Research Achievements |
1.具体的内容 本研究では、更年期女性の不定愁訴の程度について、更年期女性自覚症状測定尺度を用いて明らかにする。しかし、質問紙だけでは被験者の主観的な側面しか把握できないことから客観的に愁訴の程度を明らかにする方法を取り入れることも重要となる。そのため、平成30年度は更年期女性の不定愁訴として現れやすい下腿のむくみに着目し、その程度と活動量や冷えなど、個人的な特性とむくみとの関連について明らかにする研究を行った。 女性が多い看護師においては、立ち仕事や歩行などの多い業務内容であることから、身体的疲労を伴い、下腿のむくみも生じやすい。そこで20歳以上の女性看護師と座位姿勢で多くの時間を過ごしている事務系職員の女性を対象とし、むくみの程度や冷えなどの自覚症状について比較検討を行った。 2.意義及び重要性 むくみは冷え症と並んで、女性の7割以上が悩んでいるとも言われており、身体的症状のみでなく、精神的な不快感としても自覚される。本年度の研究から、疲労を伴う看護業務が下腿の自覚症状の程度に影響を与えている可能性が示唆された。よって、看護師のむくみの自覚症状を緩和させるには、業務内容や職場環境の改善など、背景にある疲労の蓄積を緩和する試みが不可欠である。一方、事務職群においては、10時間後は下腿の形状が有意に増大しているにも関わらず、あまりそれを自覚していない、あるいは自覚しにくいという結果であった。長時間の同一体位により、静脈還流が滞る危険もある。そのため、事務職に従事する女性には、むくみが生じやすいことを理解し、より積極的に同一体位を避ける工夫を取り入れるよう支援することが必要である。職種や活動形態によるむくみへの具体的支援策を明らかにできたことは意義があると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究室の移動に伴い、鏡映描写装置を新たに構築しなおしている。また、被験者には経耳道光照射装置を4週間という長期間に渡って使用してもらうため、装置の使用法や管理方法について検討する必要があった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度も20歳から59歳までの健常な女性を対象として研究を進めていく。まず鏡映描写装置の構築を完成させ、鏡映描写プログラムや試行方法の決定を行っていく。その手法を用いて更年期女性の不定愁訴を客観的に評価できるか検討していく。
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Causes of Carryover |
【理由】 平成30年度も研究計画の見直しや経耳道光照射装置の使用方法の検討、鏡映描写装置の整備などを行っており、被験者への謝金などを予算計上していたが、次年度に繰り越すことになってしまった。 【使用計画】 本年度は研究を効率的に実施していけるよう、鏡映描写を行うためのパソコンや経耳道光照射装置の追加購入が必要である。また昨年度の研究成果を発表するために学会参加の旅費が必要であり、それらに予算を使用したいと考えている。
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Research Products
(3 results)