2017 Fiscal Year Research-status Report
周産期におけるレストレスレッグスの影響と生理学的実態の解明:前向きコホート研究
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16K15931
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
江藤 宏美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (10213555)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | レストレスレッグス症候群 / 妊婦 / フェリチン / 睡眠時周期性四肢運動 / プロラクチン / 産褥 / 睡眠 / 周産期アウトカム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、睡眠への影響のあるレストレスレッグス症候群(RLS)について、妊娠合併症のある妊婦の発生頻度や重症度を把握し、妊娠から産褥までの主観的・生理学的データ収集し母子への影響を解明することである。以下の2段階に設定して研究を遂行する。1. 生理学的データ(血液生化学検査・末梢身体活動量)と主観的データ(質問紙)によるスクリーニングを行い、頻度・重症度を把握し、周産期アウトカムとの関連を把握する。2.RLS陽性妊婦の妊娠中から産褥までの縦断的フォローアップを行い、母児への影響(睡眠への影響、胎児の発育等、周産期の母児アウトカム)について関連性を記述する。 本年度は、昨年に引き続き、妊娠合併症として妊娠糖尿病を合併した妊婦を対象に、RLSのスクリーニング、5日間の睡眠時の下肢身体活動量、3日間連続の活動量を測定した。スクリーニングには日本語版short form(CH-RLSq13)version 2.1、身体活動量には超小型加速度センサー:Actigraph(Actigraph社製)を用いて行った。 53人の妊娠糖尿病妊婦の協力が得られた。日本語版CH-RLSq13におけるRLS有病率は、質問票で2人を検出し、睡眠専門医による電話訪問で5人を検出したため、13.2%であった。睡眠に関してはsleep efficiencyがRLS群で有意に少なく、覚醒に関してはwake after sleep onset、average awakening lengthがRLS群で有意に多かった。周期性四肢(下肢)運動(periodic limb/leg movements: PLM)と睡眠との関連では、PLM index15/h以上が10人、15/h未満が18人で、PLM index15/h以上の中にRLS/WED群は5人中2人であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
定期的にミーティングを開催し、進捗状況や分析方法の確認、発表、論文投稿の計画を話し合っている。 3編の論文投稿を準備している。研究参加者の進捗状況はほぼ順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、妊娠糖尿病などの妊娠合併症のある妊婦のリクルートを行い、スクリーニング、5日間の睡眠時の下肢身体活動量、3日間連続の活動量を測定する。RLS陽性者に対しては、産褥までフォローアップする。論文投稿の準備を進める。
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