2016 Fiscal Year Research-status Report
精神病早期介入における包括的家族支援ケアプログラムの開発
Project/Area Number |
16K15936
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
小高 恵実 上智大学, 総合人間科学部, 准教授 (90275321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 碧 上智大学, 総合人間科学部, 助手 (30711105)
原田 尚子 上智大学, 総合人間科学部, 助手 (50637668)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 精神疾患 / 早期介入 / 家族支援 / ニーズ / 面接調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、Early Psychoses(早期精神病)における包括的な家族支援のケアモデルを構築するための基礎的研究を目的としている。。1年目である本年度は、質的研究によって発病初期における家族の体験を分析し、分析結果から家族支援の評価指標となる項目を抽出し、質問紙調査によって尺度を開発することが目標であった。 本年度は、特に発病初期に焦点化し、精神疾患を持つ患者の家族が「患者の言動の異変を察知し、受診し、現在に到る」まで、どのような体験をし、専門職とどのように関わってきたか、また専門職に対するニーズを明らかにすることを目的に、精神疾患を持つ患者の家族を対象に、インタビュー調査を実施・分析した。現在は分析結果をもとにアンケート調査に向けた質問紙を作成中である。 対象者は、家族会2施設および精神科を標榜するクリニック2施設で募り、葉書を返信する方法で希望をとり、承諾書をもって承諾を得た。対象となった家族は15名で、14名が母親で、1名が父親であった。インタビューの回数は全対象者1回で、インタビュー時間は34分~136分で、平均75.3分であった。 対象者の年齢は50歳~80歳で平均年齢は61歳、患者である子どもの性別は、男性が6名、女性が9名で、平均年齢は37.9歳であった。疾患名は、15名中14名が統合失調症で、1名が強迫性障害であった。患者である子どもの発病年齢は14歳~30歳で平均17.8歳、10代が12名、20代が2名、30代が1名であった。インタビューデータについて、研究者による質的分析及び、KH CoderとJMPの2種の分析ソフトによる分析を行い、研究者による分析と分析ソフトの結果について比較検討した。 その結果により抽出・生成されたカテゴリーを用いて、5段階のリッカートスケールによる質問紙を作成中であり、同時にアンケート調査を協力施設を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
質問紙によるアンケート調査実施までが本年度の研究内容であったが、面接調査の対象施設・対象者の協力受諾、倫理許可に時間が掛かり、年度内には面接調査の分析を行うにとどまり、質問紙を作成するに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、上半期中に、昨年度の継続内容であるアンケート調査を実施し、分析を行う。 同時に、今年度の目的である「早期介入におけるの家族支援の実態調査」を行う国内・国外の施設への協力依頼を早急に行い、特に国内の施設においては、年度上半期に支援の実際に関する観察調査及び、専門職に対する面接調査が実施できるよう進めてゆく。 国外の観察・実態調査については、研究者の国外調査が可能な日程が3月下旬になるため、それまでに、質問紙調査並びに国内の実態調査を終了させておく。
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Causes of Carryover |
本年度予定していた質問紙調査が実施できていないため、調査の委託費が使用されなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度行う予定であった質問紙調査は、次年度の実態調査と同時並行で実施し、年度上半期に使用する予定である。
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