2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K15944
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
加藤 千明 常葉大学, 健康科学部, 助教 (80613687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石舘 美弥子 常葉大学, 健康科学部, 准教授 (50534070)
坪見 利香 浜松医科大学, 医学部, 助教 (40452180)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 食育 / 減塩教育 / 学童期 / 生活習慣 / 塩分摂取 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度計画は「塩分摂取」に関する意識調査準備として以下の点について検討した。1.「塩分摂取」「減塩教育プログラム」に関する国内外の研究動向は、小児に関する減塩教育・生活習慣病の文献検討を実施した。検索はWeb検索(医中誌、CiNii、Pubmed)、国立国会図書館及びハンドサーチにて「減塩」「減塩教育」「学童期」キーワード検索を実施した。原著論文を含め約30文献を抽出し研究者間で検討した。結果、国内では1985年に小学校岩手県の小学校における減塩教育の報告があり、その後、学童期における減塩教育プログラムに関する報告は見られなかった。減塩教育プログラムの手がかりとなる文献として、学童の塩分摂取量と母親の塩味指向性との関係(Matsuzuki et al,2008)、生活習慣病予防に関する小中学生の食行動(本田他、2011)に関する論文が挙げられた。 2.減塩・塩分摂取に関する看護学・医学研究動向は、研究代表者、分担研究者にて日本小児看護学会、日本小児高血圧研究会、日本小児保健協会、日本公衆衛生学会に参加し、塩分摂取、減塩教育に関する研究動向を把握した。研究報告は日本公衆衛生学会における演題が比較的多く見られ、食育の取り組みは保育園で9割実施されている傾向があるが、学童期の取り組みに関する演題は少なかった。その他小児高血圧は腎疾患によるものが多く、予防より治療観点に関する報告であり、小児期の減塩の意識づけを目標とした本研究の取り組みは、健康寿命の延伸に関与する新規性が高い研究と考えられた。 3.静岡県における減塩の取り組みについて情報収集した。静岡県の食塩摂取量は20歳以上の成人において目標値を上回っている現状であり、5年で5%減塩を目指す「減塩55プログラム」を取り組んでいる。小児期への取り組み構想はあるが未実施であり、小児期への減塩教育に関連する研究への期待は大きい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学童期の「塩分摂取」に関する意識調査準備のうち、「食塩摂取基準」「減塩」「減塩教育」等に関する国内文献検討、及び、医学・看護学関連学会や文献や書物による情報収集はおおむね順調に進展し、「減塩教育プログラム開発」の新規性は確認できている。また、静岡県健康増進課の取り組みと、静岡市近郊の市町村の取り組みや減塩フォーラムの開催などの現状把握は概ね順調に進んだ。しかし、調査対象者の検討や、面接調査で得られたデータの分析ツールの検討を合わせて行ったことで、検討する内容が膨らんでいき、思いの外時間を要し予定通りに進まなかった。学校保健、栄養学に関連した文献検討が引き続き必要であり、学校現場での減塩教育の在り方、評価方法などの検討が必要である。また、国外で成果を上げている教育プログラムの収集が必要となる。先行研究結果より調査対象者を検討した結果、子どもの塩分摂取量と母親の塩味指向性の関連性があることより、調査対象者を学童期の子どものみではなく、親子面接が適切であるとの見解があり、現在は調査対象者を検討している。調査内容は、子どもと保護者の「塩分」「減塩」に関する知識及び日常生活上の行動化に着目しインタビューガイド作成中である。また、インタビューガイド内容の検討とデータ収集後の分析方法について検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
1.研究計画の見直しと研究遂行 研究計画は面接調査対象と内容、分析方法を見直し、平成29年7月までに研究倫理審査手続きを終え、8月以降面接調査によるデータ収集を開始する予定である。その他、学校教育での塩分摂取や減塩に関する教育の現状を明らかにすることを検討している。子どもと保護者、教育機関における教育方法の現状を彰隆に減塩に関する知識と教育機関と相違について分析するについて検討している。分析方法は質的データを客観視し、減塩教育プログラムに効果的な分析方法を検討する。 2.研究結果の公表 平成29年度の研究結果は、小児看護学関連学会にて平成30年度学会発表及び学会紙報告にて公表する予定としている。
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Causes of Carryover |
繰り越し額は次年度の物品費用、人件費・謝金、旅費に加算し配当する。使用しなかった理由としては、面接対象者の見直し・変更、分析ツールの検討時期が当初計画より遅くなったこと、参加予定であったセミナーや学会が授業担当や学内行事との重なりで参加できなくなったため、次年度に譲らざるを得なかった。面接調査対象者を変更し、小学3年生~6年生合計約40組の親子面接を目標としており、面接調査に関する交通費及び謝礼として使用する。また、質的データ分析方法のテキストマイニングソフトウェアは、大量のデータの中から有用な知識を発掘でき初心者から高度分析まで幅広いNTTデータ数理システム社のソフトウェアを活用する。その他、学校教育現場における減塩教育の現状の調査として食育に関連する担当教諭への質問紙調査を検討しており、質問紙調査データ分析ソフト購入費として使用する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費としてソフトウェア購入費用(数理システムText Mining Studio、IBMSPSSAdvanced Statistics、セキュリティーソフト)、調査用紙、切手代、面接調査時謝礼として謝金に使用する。旅費として面接調査、学会発表・研究会参加交通費(日当、宿泊費)、その他として文献複写費、印刷費として使用する。
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