2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K15948
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Research Institution | Fukuyama Heisei University |
Principal Investigator |
佐竹 潤子 福山平成大学, 看護学部, 講師 (60760056)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 子ども / 夜間受診 / 親 / 対処能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
中四国地方の乳幼児医療費が無料のA地域と所得制限があり一部負担金を要するB地域を対象に0から6歳の子どもを保育園に通わせている親654名にアンケートを配布した。子どもの病に対する親の対処能力尺度に欠損のないA地域133名、B地域155名を対象に分析を行い高得点は対処能力が高いとした。 夜間受診経験が有るは、A地域67.7%、B地域73.5%であった。B地域は一部負担金がいっても夜間受診を控える傾向にはなかった。夜間受診理由では、A地域、B地域ともに『夕方になって具合が悪くなって受診した』が最も多かったが、B地域は51%とA地域より高かった。A地域がB地域より高かった受診理由は、『周囲に勧められて受診した』9.0%、『子どもの薬がほしくて夜間受診した』12.8%『昼間用事があり小児科を受診できなかったので夜間受診した』4.5%、『他の医療機関にかかっているが何日も症状が改善しないので夜間受診した』5.3%、『夜間の方が待たなくてよいので受診した』0.8%であり、一部の親にとっては、医療費の無料化は夜間受診しやすい状況にあった。 親の対処能力の地域比較では、A地域は『子どもの病気について市町村の子育て教室で学習している』 1.57±0.7(P<.001)『病院の救急外来の電話番号を知っている』2.92±1.2(P<.001)『子どもの症状について経験不足がある』2.11±0.9(P<.05)で有意に高かった。また、B地域がA地域より2.0以下と低かった項目は、『子どもの症状について経験不足がある』1.84±0.7『子どもの症状が悪化(急変)するのではないかと心配である』1.95±0.9『症状の原因が特定できないので不安がある』1.95±0.9であった。親は、経験不足から子どもの症状について心配や不安があり受診している。そのため知識や社会資源の活用ができるような支援が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画よりも、分析に時間がかかっている。そのため、研究結果をもとに教育プログラムの作成が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
残りの分析を行い、親の対処能力向上のための教育プログラムと教材を作成し、保育園への広報活動を行い実践する。その後アンケート調査を行い、効果的な支援を明確にする。
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Causes of Carryover |
アンケート依頼が一回で終わったこと、旅費を研究連携者も含め2名で計画していたこと、印刷費用が予定より安かったこと、当初購入予定だった物品を次年度に変更したためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
保育園への広報、教育プログラム実践時のアルバイト費用と交通費、アンケート記入時の文具の購入、アンケート入力、研究資料などの印刷、SPSS多変量解析ソフトの購入、学会の参加費に使用する。
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