2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K15955
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
峰松 健夫 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任准教授 (00398752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真田 弘美 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (50143920)
仲上 豪二朗 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (70547827)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 線維化 / 関節拘縮 / 創傷治癒 / 瘢痕 / Sirtuin |
Outline of Annual Research Achievements |
拘縮は高齢者に耐えがたい痛みや不快感を与え、また褥瘡などのリスクを高めるため、そのケアの確立が老年看護学の喫緊の課題と認識されている。そのためには拘縮の発生機序の解明が必要であるが、いまだ十分に明らかにされていない。本研究では特に老化関連因子の発現と、組織線維化の関連を動物実験により明らかにすることを試みる。 本年度は抗老化遺伝子であるSirtuinをターゲットとして実験を行った。実験モデルとして、顕著な線維化を特徴とし、関節拘縮との共通メカニズムも指摘されている開放創の二次治癒モデルラットの瘢痕組織を用いた。若齢ラットと加齢ラットを供試動物とし、加齢ラットでは若齢ラットに比べて創傷治癒が遅延していることが確認された。 解析ターゲットとしてSirtuin 1~7の発現を比較した。正常皮膚組織ではSirtuin 1および2の発現が加齢動物で有意に亢進していた。また、若齢ラットでは瘢痕組織において皮膚組織と比べSirtui 2および3の発現が有意に減少していたのに対し、加齢動物ではSirtuin 1、2、および3の発現減少が確認された。また、発現減少率(創部/皮膚組織)を若齢ラットと加齢ラットで比較したところ、Sirtuin 1および2の発現減少率が加齢動物において若齢動物より有意に高くなっていた。以上より、Sirtuin 1および2の発現動態の異常が加齢動物における線維化の異常に関与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
関節拘縮モデルの確立を試みたものの、適切なモデルの作成には至らなかった。そのため、モデルを開放創二次治癒モデルに変更し、標的遺伝子としてSirtuin 1および2の同定に至ったものの、タンパク質レベルの解析が完了しておらず、やや遅れていると評価される。
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Strategy for Future Research Activity |
Sirtuin1および2のタンパク質レベルでの解析を進めるとともに、創部組織におけるSirtuin 1および2の発現抑制実験に取り組む。
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Causes of Carryover |
モデル動物の変更に伴い、研究の進捗に遅れが生じているため。H29年度中に予定していたタンパク質レベルでの解析をH30年度に実施するために、繰り越した助成金を使用する。
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Research Products
(2 results)