2018 Fiscal Year Research-status Report
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16K15956
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
深堀 浩樹 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 教授 (30381916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 敦子 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (70359636)
宮下 光令 東北大学, 医学系研究科, 教授 (90301142)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 高齢者ケア施設 / 終末期ケア / Integrated care pathway |
Outline of Annual Research Achievements |
日本では病院在院日数の短縮により医療的処置や介護が必要な地域在住の高齢者の増加が予測される。看取りのケアに関しては病院だけでなく在宅や高齢者ケア施設などの地域における質の高いエンド・オブ・ライフ・ケア(以下、EOLケア)が求められている。本研究では、高齢者ケア施設におけるEOLケアの課題であるEOLケアの知識不足、スタッフ同士・本人や家族とスタッフのコミュニケーション不足、情報共有不足に対応し、本人の意思を尊重したケア提供を可能とするために本人・家族を含めた早期からの話し合いに重きを置いた“EOLケアツール”として、①EOLケアツールの運用説明、②EOLケアの教育、③多職種共通チェックリスト、④定期的なカンファレンス、⑤教育担当者による監査から構成されるEOLケアツールを開発し、高齢者ケア施設と訪問看護ステーションにて使用し評価を行っている。なお、EOLケアツールとは、Integrated Care Pathway(ICP)と呼ばれるケアの質を高めるための手法の一つである。 以下、平成30年度の研究実績を記す。高齢者ケア施設(有料老人ホーム)で4か月の教育の後にEOLケアツールを用いた介入を9か月実施し、介入後の評価のために①スタッフ約80名を対象とした質問紙調査、②スタッフ22名・管理職10名を対象としたインタビュー調査を実施しているが、これらのデータの解析を進めた。さらに高齢者ケア施設のEOLケアに関するICPに関する介入・実装研究についての文献検討を行い、日本緩和医療学会誌に掲載された。また、本研究により開発されたEOLケアツールを対象となった介護付き有料老人ホーム、および同法人の他の有料老人ホームにて活用していくべく、内容やマニュアルの改訂作業に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
補助事業期間を延長したが、これは対象となった有料老人ホームにおいて今回開発しているEOLケアツールを活用していくための改訂や国際誌への投稿を行うためのものである。得られたデータの解析や学会発表等は順調に進捗しているため、「(2)おおむね順調に進捗している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
得られたデータの解析を進め順次結果を公表していく。協力施設を運営する社会福祉法人と連携し、開発したEOLケアツールの社会実装を目指していく。
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Causes of Carryover |
本研究で開発を目指していた、有料老人ホームで活用できるEOLケアツールと在宅で訪問看護ステーションで活用できるチェックリストの評価の研究は終了し、学会発表を行っている。平成31年度は評価研究に基づくEOLケアツールの見直しを追加で行い、より実践現場で活用しやすいツールと発展させる。また評価研究の国際誌への投稿も平成31年度に実施する。主としてツールの改訂と国際誌への投稿(英文校正・掲載料の支払い等)に使用する。
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