2018 Fiscal Year Research-status Report
精神科入院患者の地域移行を促進する病棟地域連動型リカバリー支援ツールの開発
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16K15959
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Research Institution | Yamagata Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
安保 寛明 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (00347189)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 地域移行 / コンコーダンス / 退院促進 / WRAP / 心理教育 / リカバリー / 精神障害 / 精神疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度の研究では、精神疾患を有する人およそ10名を対象にWRAPクラスの運営やIMRに関する書籍等において有益な表現を整理した。その結果、たとえば妄想については「誤った確信」など、これまでは医療者によって整理されてきた表現に対する代替案が明確になった。
これを踏まえて、精神疾患を有する人の精神健康の保持増進に活用するためのWRAP活用アプリケーションを開発した。このアプリケーションは、一般的なWRAPクラスではWRAPの作成(心の元気に役立つ行動を明確にし、他者の方法と交換することで増やすこと)を行うことを踏まえて、その人のWRAP(心の元気の保持増進に役立つこと)を思い出して使いこなせるようにするものである。心の元気度を聞く(アセスメント)、その元気度に応じてプランを推薦しつつ選択をすすめる(プランの選択)、翌日以降のアクセスにおいてその後の元気度とプランの有効性を聞く(プランの評価)という3つのフェイズで形成し、このほかにIMRで記載されている表現を盛り込んだ心理教育の内容を記載した。以上のような具体的なアプリケーション内の構成をおこない、精神疾患を有する人8人に対してWEBアプリケーションの形で試行した。WEBアプリケーションでの満足度は概して高く、スマートフォンなどからのアクセスによって継続的に使用する可能性が十分にあることがわかった。 なお、2018年度は成果発表の機会として、筆頭及び分担によって複数の学会などでの発表と専門誌などへの寄稿を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
具体的な援助の方略に資するWEBアプリケーションを開発することを通じて実行可能性の調査を行うことができた。面接モジュールにこのアプリケーションの導入を行うことで、研究の核となる部分をおおむね終了することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの知見を、学会発表にとどまらずに論文などの形式で記述し、発表する。 アプリケーションについては、IMRおよびWRAPの要素を持つプログラムをすでに有する医療機関と協働して、実行可能性に関する検証を続ける。
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Causes of Carryover |
成果発表を行うために、学会への参加に関する費用を計上した。データの再整理、学会への参加などの費用に充てる予定である。
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