2017 Fiscal Year Research-status Report
訪問看護師のコンピテンシーを高める教育プログラムの開発
Project/Area Number |
16K15960
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
難波 貴代 神奈川工科大学, 看護学部, 教授 (00453960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
織井 優貴子 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (50285681)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 訪問看護師 / コンピテンシー / 教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、訪問看護師の能力(以下、コンピテンシーとする)を高める教育プログラムの開発を目的とする。本研究の学術的な特色および予想される結果と意義は、紙面教育から明確なアセスメントに基づく効果的な教育プログラムへと導くことが学術的な特色である。学習者主体による紙面チェックではなく、第三者による評価が可能となる。看護教育機関との連携により臨地の訪問看護師をリアルタイムに教育していくことが独創的な点である。本研究では、訪問看護師のフィジカルアセスメント能力の強化を目的に、中性能人体模型(以下、中性能シュミレーター)を活用する。これは訪問看護師教育には積極的に活用されていない教材である。平成28年度の計画によって、{訪問看護ステーション側による体制}{スタッフ自身の能力}がカテゴリとしてあげられた。そのため平成29年度は、A地域の訪問看護師68名を対象にフィジカルアセスメントの介入を実施した。その結果、男性が4.4%、女性が95.6%、職種は看護師が93.2%、その他が4.5%であった。年齢は30歳以上、特に41歳から50歳が最も多かった。フィジカルアセスメント実施の前後で介入した結果、講義前は本日の目標、フィジカルアセスメントの必要性、実施時期、五感を使うフィジカルアセスメント、聴診器を正しく使うこと、叩打診法、眼と口を観察する意義、口腔内の解剖が講義後に有意な差(P<0.05)であった。さらに自由回答においては、10名の訪問看護師が同じ内容を何度も繰り返し学習していくことによって、自分自身の修得につながると記述し、さらに翌日の臨地につなげることで、フィジカルアセスメントの修得につなげている記述が多かった。平成31年度の計画は、平成29年度の介入結果を踏まえて、教育プログラム内容の精選を臨地の訪問看護師と実施していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度の計画は、A地域の訪問看護連絡協議会13施設に勤務する訪問看護師を対象に、平成28年度のヒアリング調査による教育プログラムの項目の精選を実施した。その結果を踏まえ、介入を実施してきた。しかし、知識を問うことについての事前学習が円滑にいかず、実施してこない訪問看護師もいたため、介入前に質問紙調査を実施すると90%の訪問看護師が解剖整理について、理解していないことがおおかった。そのため平成30年度は、教育プログラムの最終段階となるため、事前学習や技術のチェックリストの方法、満足度評価を介入のタイミングなどを見計らって実施していく計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究を遂行する上での課題等は、A地域の訪問看護連絡協議会で調査対象者は確保されていたが、介入実施場所が平成30年度は変更せざるを得ないということ、さらに介入実施場所が変更となることによって、中性能シュミレーターが持参可能かまた場所によっては置けない場合があるため、導線の事前確認が必要であるため、実施場所の検討を事前に把握していくことがあげられる。さらにひとりでに実施は、困難であるため、研究協力者に参加を呼びかけていく予定である。
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Causes of Carryover |
(理由および使用計画) 本研究では、訪問看護師のコンピテンシー向上のための教育プログラムを開発することを最終目的とし中性能シュミレーター機器を購入したが、当初見積もりよりも若干低価格に抑えることができた。そのため当初見積もりよりも安くなったということ、さらに平成30年度が最終年度であるため、最終年度の予算に組み込み、国際学会で発表していく必要があると考え、国際学会の発表で使用していく。
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