2016 Fiscal Year Research-status Report
看護と警察の連携による認知症高齢者サポートシステムの構築
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16K15967
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Research Institution | The Japanese Red Cross Akita College of Nursing |
Principal Investigator |
大山 一志 日本赤十字秋田看護大学, 看護学部看護学科, 助教 (10707326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇佐美 覚 日本赤十字秋田看護大学, 看護学部看護学科, 講師 (20289763) [Withdrawn]
山田 典子 日本赤十字秋田看護大学, 看護学部看護学科, 教授 (10320863)
藤井 博英 日本赤十字秋田看護大学, 看護学部看護学科, 教授 (60315538)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 認知症高齢者 / 警察官 / 認定看護師 / 連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
認知症高齢者が絡む事件や事故の増加にともない、警察官は、認知症高齢者への対応に迫られるケースが増えている。これにより全国各地の警察署では、警察官へ認知症の症状などを学ぶ専門講座の受講を義務づけるなどの対策を講じており、全国各地に広がりつつある。一方、秋田県では、認知症認定看護師教育課程が設置され、認知症看護を専門的に学習した認定看護師が県内の各機関に所属し活躍している。 そのため本研究は、警察官と認知症看護を専門に学んだ看護職が連携し、地域に暮らす認知症高齢者へのサポートシステムを秋田県内に構築することにある。 平成28年度の実施計画は、①警察官が取り扱う認知症高齢者の事件や事故等の現状を把握すること、②認知症高齢者へ携わった際、警察官が苦慮する問題に関して把握すること、③警察として、認知症看護を専門的に学んだ看護師と連携可能な点について把握することとした。調査は、秋田県を管轄する警察署警察官で、職務上、認知症高齢者に対応した経験を持つ警察官への半構造化面接を行うこととした。 結果、調査依頼したいずれの警察署からも警察官個々人へのインタビュー調査には応じてもらえず、予定していたデータ収集は行えなかった。文書での回答の得られた警察署においては、認知症にともなう対応事例として、徘徊、遺失・亡失、家庭内・近隣トラブル等に警察官が出動するケースが増加していること、同じケースにこうした事態が頻回に繰り返されるといったことが示された。また、看護専門職者との連携可能な点として、こうした事例への再発防止のための支援、警察との情報交換、警察官への認知症高齢者への対応等についての知識の教授などが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
秋田県内の各警察署の警察官へのインタビュー調査の依頼を行ったが、調査依頼したいずれの警察署からも警察官個々人へのインタビュー調査には応じてもらえず、予定していたデータ収集が行うことができなかった。 今年度は、学内で可能な研究活動として、文献収集・整理などを優先的に進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度実施ができなかった調査については、データ収集方法の再検討あるいは対象範囲の拡大を図るなどし、次年度に追加調査できるよう、研究計画書の修正および調査依頼の方法の変更を行う。
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Causes of Carryover |
対象者の了解が得られず、予定していたインタビュー調査が行えなかったため、調査にかかる旅費ならびに謝礼が発生しなかった。また、インタビューデータのテープ起こしにかかる人件費を計上したが、データ収集が行えなかったことから人件費が発生しなかった。これにより、計上した支出額に至らなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度、調査対象ならびに調査方法を検討し、引き続き調査を行うことで、そこに生じる旅費、人件費に使用していく。
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